創設100周年記念特別サイト

100年の歩み

未来を担う医療人の育成と知の探求

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日本大学医学部 ~次の100年に向けて~

 日本大学医学部は創設100周年を迎え,次の100年へと繋ぐこの重要な時期に,医学部で勤務できることを大変誇りに思います。現在進行中の新しい「キャンパス整備構想」は,日本大学全体が一体となり進められ,医学部の未来を見据えた取り組みです。医学部附属病院は,高度な医療を提供する特定機能病院の役割と共に,学生や卒業後の若手医師に対する「医学を学ぶ教室」そのものであり,「キャンパス整備構想」には妥協はできません。この「キャンパス整備構想」は,単年度計画ではなく毎年ブラッシュアップされ,次の100年に向けて後進に繋がれ発展していくものと信じています。  医学部附属病院におけるキャンパス機能として重要なことは,継続的な教育・研究機能が一体的に整備され,質の高い医療を提供すると共に学生や研修医・若手医師の教育にも力を注ぐ環境を整えていることです。その上で板橋キャンパスに建設される新病院は,高度急性期医療を維持・推進する特定機能病院として,また地域住民を必ず守る災害拠点病院としての役割を果たし,日本大学病院もまた特徴ある高度医療を推進していきます。  21世紀は「ライフサイエンスの世紀」です。人文・社会科学と自然科学を含むあらゆる分野の「知」の融合を目指し,様々な領域の学問と連携して新しい「総合知」の創造を行い,新たな価値を医学部で構築します。医学の分野に留まらず,本学におけるそれぞれの分野の専門家が集まり活発な議論・研究活動・技術開発ができる場を設け,日本大学の新時代の文化として育てること,それが医学部の使命ともいえます。日本大学医学部での研究群は「集い」,「共有」し,「発信する」国際的研究拠点となるべく,医学部の持つ「研究知」を広く共有できるようにならなければなりません。そして日本大学の優位点である総合大学として,医学分野はもちろんのこと,他分野とも協働した社会貢献を目指します。  医学部が目指す組織は,(1)常に前向きに発想でき,自らが学習する組織(常に新しい価値を見いだす)(2)志を共にして調和を追求し,互いに共感できる組織(持続可能な繁栄を分かち合う)(3)ダイバーシティを推進し,権限を分散して各自の能力を開花・自走する(多様な人が能力を発揮できる)組織です。医学部の使命は,最終的には「良き臨床医」「優れた医学研究者」および「熱意ある医学教育者」を育成することにあります。そのために,医学部の3本柱である高度診療・研究・教育を実践し続ける決意です。  稿を終えるにあたり,これまでの活動を支えてくださった全てのステークホルダーの皆様に心から感謝申し上げるとともに,今後とも日本大学医学部へのご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

(第17代医学部長 木下浩作 60回生)