ATSUSHI SAKURAI 櫻井 淳

日本大学医学部
救急医学系救急集中治療医学分野 准教授

今あるその命を救うには

　私は目の前の消えゆく命を一つでも多く救いたいという思いから救急の道を志し， 日本大学医学部救急医学の門をたたきました。
　これまで仲間たちと多くの症例を経験したことは， 心に深く刻まれています。救命した患者さんの記憶は喜びとともに記憶されていますが， 一方で助けられなかった患者さんは悔しさと共に今も思い出されます。
　「どうすれば，もっと多くの命を救えるのか」，その問いは私の中で常に繰り返され続けています。その答えを探し続けることがいつか出会う患者さんの命を救う道につながると信じており，命の瀬戸際で診療の中でこうした思考こそが医学の進歩の原動力であることを実感しています。
　日本大学医学部附属板橋病院はすべての診療科が揃っており， 救命救急センターでは多職種・多診療科との連携により，あらゆる疾患や外傷に対応可能な体制を整えています。さらに，母体救命や小児救命にも力を入れており， 未来を担う命を守るという重要な使命を果たしています。
　本学では， 「自主創造」の理念と「醫明博愛」の精神のもと， 学生時代から命と向き合う現場に立つ体験を通じて，高い志と創造性を備えた医師を育成する環境が整っています。いつか， 臨床の現場で皆さんとお会いして共に学べる日を， 心より楽しみにしています。