高 大 連 携

高等学校教員と大学教員の交流・連携により,高校生に対して,大学の教育研究に触れる機会を提供しています。

取り組み事例

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2024年8月2日(金)
6日(火)、17日(土)
日本大学第一学園


2024年8月23日(金)
城北埼玉高等学校

実施報告

日本大学第一学園の高校生が再生医学研究を体験!細胞再生・移植医学分野で夏季体験実習を開催


2024年8月2日(金)、6日(火)、17日(土)の3日間にわたり、日本大学医学部リサーチセンターにて、細胞再生・移植医学分野主催による日本大学第一学園の高校生を対象とした「夏季体験実習」が、開催されました。今年は、千葉日本大学第一高等学校から3名、日本大学第一高等学校から1名、計4名の高校2年生が参加し、リサーチセンターおよび日大板橋病院の見学、マウスES細胞を用いた分化誘導実験などを体験しました。この体験実習は2004年からほぼ毎年開催されており、今年も自ら志願した意欲あふれる生徒さんたちを迎えての実施となりました。

無菌操作による細胞培養を体験

初日は、松本太郎教授より実習内容の説明を受けた後、マイクロピペットや電動ピペッターの操作など、実習に必須の基本手技を学びました。生徒さんたちは初めて見る器具に戸惑い気味でしたが、すぐに取り扱いに慣れ、基本技術を習得することができました。その後、細胞培養室でクリーンベンチを使用し、無菌操作による細胞培養を体験しました。李予昕准教授と風間智彦助教の指導のもと、マウスES細胞から胚様体を形成させる懸垂培養に取り組みました。生徒さんたちは初めての無菌操作にやや緊張した様子でしたが、着実に作業を行うことができました。

臨床の現場を間近に体験する貴重な機会も

2日目は、松本教授より「幹細胞と再生医療」の講義を受けた後、前回の実習で作製した胚様体を回収し、平面培養へ移して細胞分化を誘導する作業を行いました。この日の実習は初日よりも気持ちに余裕が生まれ、実験を楽しんでいる様子がみられました。午後には、小児外科の上原秀一郎教授の引率のもと、板橋病院の見学を行い、臨床の現場を間近に体験する貴重な機会となりました。

各自が選んだ再生医療に関するテーマで発表会

最終日は、マウス胚様体の顕微鏡観察を行ない、ES細胞が色々な細胞へ分化している様子を確認しました。自ら拍動をする心筋細胞を見つけるのに苦労しましたが、最終的に全員が観察でき、生命現象の奥深さに触れることができました。続いて、平滑筋細胞や神経細胞への分化を確認するための蛍光免疫染色を行ない、自ら培養した細胞の分化を蛍光顕微鏡で確認しました。そして体験実習の締めくくりとして、各自が選んだ再生医療に関するテーマで発表会を行ないました。4人が選んだテーマは「再生医療と幹細胞」、「iPS細胞を用いた加齢黄斑変性症の治療」、「重症下肢虚血」、「ウーパールーパーの再生能力」でした。いずれもよく調べた内容を、ユニークなイラストを使い自分の言葉でわかりやすく説明することができ、素晴らしいプレゼンテーションでした。

今回の実習は台風の影響で例年の4日間から3日間に短縮されるという慌しいスケジュールでしたが、生徒さんたちは医学研究や臨床の現場を体感し、満足した様子でした。後日、届いたレポートには、全員が「医学部に進学して医師になりたい気持ちが強くなった」といった力強い意思が綴られており、感銘を受けました。細胞再生・移植医学分野では、今後もこのような体験実習を通じて高大連携に積極的に取り組んでいく予定です。

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城北埼玉高等学校1年生5名の皆さんが゙体験講義&実習を体験しました。


2024年8月23日(金)、城北埼玉高等学校の1年生5名が引率教諭1名とともに、本学医学部を訪れ、医学研究企画・推進室 松田裕之助教らの指導の下、模擬講義や体験実習、病院見学を体験しました。 本催しは2017年より医学研究企画・推進室と城北埼玉学園 進路指導部と共同で実施してきた高校生向け職業体験プログラムであり、今回は救命救急センターと輸血・細胞治療センターの協力の下、コロナ禍で実施が困難であった医学部附属板橋病院の見学を再開しました。

医学を学ぶということがどのようなことなのか

まず始めに医学を学ぶということがどのようなことなのか、実際の症例を通して体験する目的で、模擬症例検討会を行いました。事前に提示された模擬症例の問診(患者と医師のやり取り)や診察内容から、生徒達は患者が何に困って来院し、健康時と比べてどのような症状が現れているのか、それに対して医師はどのような病気の可能性を考えているのかなどを2班に分かれて自己学習し、当日は臨床講堂で発表を行いました。その中で、特に肺血栓塞栓症を取り上げ、日常生活に潜む危険性(エコノミークラス症候群、熱中症、部活動での怪我など)について触れ、その予防法について理解を深めました。引き続き、松田裕之助教が、ヒトの体はどのように外部の環境や、体内の変化に対して常に生命維持に必要な生理的な機能を正常に保とうとしているのか(恒常性維持)の仕組みについて、模擬講義を行いました。

外科的手技の体験実習

次に、医学部動物実験室で、外科的手技の体験実習に入りました。医学部研究支援部門のスタッフ2名を中心に、市販の鶏肉を用いた電気メスでの凝固・切開体験、筋肉や皮膚の縫合と糸結び練習を行いました。最後には全員が、縫合できるようになりました。
午後からはいよいよ医学部附属板橋病院での見学・実習に入りました。まずは、東京都の救命救急医療における当救命救急センターの役割や特徴について山口順子科長が分かりやすく説明し、施設を案内していきました。初療室においては、これから救急搬送されてくる患者を受け入れる救命救急センターのスタッフの緊張感を実際に感じることができ、集中治療室ではどのような治療が行われているのか、見学することができました。

血液型判定の実習

最後に、輸血・細胞治療センターの榎本雄也臨床検査技師による指導の下、血液型判定の実習を行いました。用意された課題には、赤血球表面の抗原と抗A、抗B血清の反応を調べる表検査と、既知の血球と血清中の抗A、抗B抗体を調べる裏検査が一致する一般的な検体だけでなく、一致しないまれな検体もありましたが、最初はやや緊張気味に取り組んでいました生徒たちも、全員が正しく判定することができました。

体験後のアンケートでは、「医師になりたいという夢がさらに大きくなり、勉強へのやる気が高まりました」、「医師への関心が高まっただけでなく、医師として何が大事なのか自分の聞きたいことが聞けました」などの感想をくれました。当教室では、今後も医学部の各部門の協力を得ながら、高大連携の取り組みの一貫として、医療分野に興味のある高校生や高等学校関係者の皆様に、本学の教育・研究内容を知って頂くための活動を企画・実施していく予定です。

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