初期・後期研修医の皆様へ

日本大学医学部長

木下 浩作

救急医学系 救急集中治療医学分野 教授

 日本大学医学部は、今まさに変革期を迎え、医学部100年の歴史を刻もうとしています。板橋キャンパスの再開発計画も進行中であり、新病院建築後は多くの若手医師が誇りをもって勤務できるように準備をしているところです。

 最新の医学と良質な医療の実践するために、医師はプロフェッショナルとしての要件を備えなければなりません。それには、豊富な知識と専門的な技術力、および高い倫理観と道徳心が求められます。常に進歩している医学・医療を発展させるために、プロフェッショナルとして自ら生涯学習を実践して下さい。医学・医療の分野では、「これで十分」や「これ以上は不可能」などの考えは禁物です。そうした考えは、己を衰退させてしまいます。常に前向きに「高い目標」を持って挑戦を続けて下さい。

 新生医学部は、学生や若手医師の教育に重点をおき、初期・後期研修中にさらに多くのことが経験・実践できる環境を整えていきます。「つらいなぁ」と思う時こそ、大切な経験ができるチャンスです。そばには、必ず先輩・仲間がいてくれます。日本大学医学部の初期研修・後期研修プログラムにようこそ。

卒後教育担当

奥村 恭男

内科学系 循環器内科学分野 教授

 日本大学医学部の理念は、よき臨床医、優れた医学研究者、熱意ある医学教育者の育成です。これは、「医療・医学の発展のためには人づくりが重要である」という哲学を示すものであり、私が今まで最も重きを置いて行ってきたことです。

 日本の医学教育は大きな変革期を迎えています。臨床実習は指導医の診療を見学するだけの「見学型」から、医療チームの一員として診療に参加する「診療参加型臨床実習(=クリニカル・クラークシップ)」となり初期研修(研修医)・新専門医制度(専門研修プログラム・カリキュラム)へとシームレスなものとなっています。新専門医制度は、19の基本領域とその上にサブスペシャリティーがあります。本学では、2021年11月にリハビリテーション医学分野が新設され、今後、研修システムを充実させることで19領域全域を網羅することが可能となります。

 本学の医学教育体制は、従来は「初期研修は病院」、「後期研修(大学院・専門医研修)は医学部」と別れており非常にわかり難い状況でしたが、2021年11月から初期臨床研修、後期臨床研修(大学院、新専門医制度)を含めた卒前・卒後教育を一貫して医学部執行部である卒後教育担当が担うことになりました。また、臨床研修センター長も卒後教育担当が兼務することになりました。このような組織体制の変更により、初期研修から後期研修を含めた卒前・卒後教育の一貫したシームレスな医学教育が可能となりました。

 一方、地域格差を是正するという名目で東京都では診療科によっては、新専門医制度における専攻医の受け入れにシーリングがかけられています。また、2024年度より施行される「医師の働き方改革」で、医師の働き方を見直す時代が来ております。また、板橋キャンパス再整備プロジェクトによる新医学部・新板橋病院の建設が決定されておりますので、これらの時代変化を見据えながら、若手医師の教育環境をより良いものに改革し、事務の方々、指導教員の協力のもと、研修医の先生方、大学院生の皆様と一緒になって日本大学医学部の卒前・卒後教育を発展させ、より充実したものにしていきたいと考えております。

 ぜひ、本学での一貫した医学教育によって医師としての手練を積み、将来の医療を担い社会に貢献できる人材を目指してください。

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