HIROYUKI SAKURAI 櫻井 裕幸

日本大学医学部
外科学系呼吸器外科学分野 主任教授

自分を信じて
～ 今の努力が将来の糧となる～

　私は， 胸部とくに肺（呼吸器） の手術を専門にしている外科医です。自分の技術を通じて患者さんの命や生活を救うことができるのは， 外科医とし て何物にも代えがたいやりがいを感じさせてくれます。
　私が医師を志したのは「気胸」という肺に穴の開く病気で入院したのがきっかけでした。病院には病に苦しむ多くの患者さんが入院しているのを目の当たりにして， 病気を治して人の役に立ちたいと高校生ながらにその時熱く思ったことを今でも鮮明に覚えています。
　皆さんも医師になりたいという熱い思いで学業に取り組んでいると思います。医学部を目指して毎日勉強を続けることはそう簡単ではなく， 心が折れそうになることもあるでしょう。でも， どんなに小さな進歩でも， 一歩一歩前進することで， 今積み重ねている知識と経験は， 必ず未来の大きな力になります。試験の結果が全てではありませんが， 全力を尽くすその過程が何よりも大切です。自分を信じて， 焦らず， しっかりと着実に進んでください。心の中で「諦めずに頑張ろう」と言い聞かせる日々が， あなたを成長させ， そのあとには必ず素晴らしい未来が待っています。
　自分を大切にしながら， 心を強く持って前へ進んでください。そして， 医学部で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。