教員紹介

阿部 雅紀
MASANORI ABE 阿部 雅紀
日本大学医学部
腎臓高血圧内分泌内科学 主任教授, 学務担当

学生の頃からたくさんの経験を積んで,
初期研修医になってもより多くの経験を積んで欲しいと思います。

学務担当について

 学生の学力向上, 進級や卒業に関するサポートや, 国家試験などの合格率を上げることなどが学務担当の役割です。試験の成績が低下傾向の学生には個別で面談することもありますし, 学習環境を整備したり, 病院での実習をスムーズに行えるように調整することもあります。最近は病院での実習がかなり重要視されていて, 病院での診療を指導することもあります。
 医療者としては知識だけではなく, 患者さんとのコミュニケーションが必要です。なので,以前は筆記試験だけで医師免許を取得できていた時代もありましたが, 最近では実技試験も必須となっています。試験で患者さんの診察をしたり, しっかりと患者さんとコミュニケーションをとり, 話を聞き出せるかを確認する医療面接もあります。
 実技試験は4 年生と6 年生にあって, 4 年生時はCBT (Computer Based Testing) という知識を問う試験と, OSCE (Objective Structured Clinical Examination) という実技試験があり, その2 つに合格しないと病院での実習に参加することが出来ないんです。4 年生の段階でまず医学生として社会の医療現場に出ていいかどうかを評価する。だからその2 つをクリア出来るような知識と態度, 技能を身に付けてもらいます。4 年生の後半からは実際に病院で患者さんと触れ合う実習が始まります。そして, 実習が終了した6 年生では, 医師として社会に輩出して良いか問われる実技試験があり,その試験に合格しないと卒業出来ません。
 なぜコミュニケーション能力が必要かというと, 現在はチーム医療が主流で, 医者だけがんばっても駄目なんです。看護師さんや様々なメディカルスタッフとの協調性が求められますし, その中でリーダーシップを発揮してチームをまとめる医師にならないといけない。医師に対する社会のニーズは変化してきております。それに対応すべく, 医学的な知識のみならず, 技能,態度, コミュニケーション能力を備えることが必要となってきております。

コロナ禍の学習環境について

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,2020 年の1 年間は病院実習は出来ませんでした。しかし2021 年からは日本大学ではほぼ通常の実習を行えています。学生は約700 人居るんですが,そのうち2021 年の感染者は20 人だけでした。これは他校と比べて非常に少ないですが, それだけ感染対策を徹底的に指導し,実践してもらっていますし, ほとんどの学生はワクチンを3 回接種しています。そういった感染対策をしっかりと行った上で, 2021 年からは2019 年以前と同じような形で実習出来ています。日本大学医学部付属板橋病院は, 新型コロナ感染患者の診療数は全国の大学病院の中でもトップクラスですが, 職員も含め感染者数が少ないというのは, 医学部と病院が一体となり取り組んでいるところが大きいです。

どのような医師を目指すべきか

 人を診ることが出来る医師になって欲しいと思います。人と話が出来る,人の心を汲み取れる。やはり患者さんや周りの人から信頼されないと何事もうまく進まないと思います。しっかりと人の気持ちや痛み, 辛さを知ることが出来る人間になることが大切です。
 臨床医としては, 経験した数が非常に重要です。例えば同じ2 年間の初期研修でも,100 例しか経験しなかった医師と1000 例経験した医師とでは, 身に付いた実力は全然違います。学生の頃からたくさんの経験を積んで, 初期研修医になってもより多くの経験を積んで欲しいと思います。
 日本大学医学部の教育の中で, 最も重視しているのが「良き臨床医を育てる」です。実際に患者さんの病気を治し, 患者さんから感謝される医師になれるような教育を行っています。また,医学は日々進歩しています。研究を行い,新たな発見を世界に先駆けて発信できる医師を育てることも日本大学医学部の重要な使命であると考えています。

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