大腸癌の治療

1.大腸癌の現状

日本人の高齢化に伴い癌になる患者さんは増加傾向です。その中でも大腸癌の増加は著しく、新たに大腸癌と診断される方や大腸癌でお亡くなりになる方の数は年々増加しています。

大腸癌は早期発見できれば根治を望むことができます。しかし、ここ数年はコロナ問題もあり健診や医療機関への定期受診を取りやめてしまう患者さんが多く、発見が遅れてしまうケースが増えております。すでに進行した状態で癌が見つかり、大腸内視鏡で切除可能であったものが切除できず外科手術が必要となり、最悪の場合転移などを起こして手術で根治できない状態の方もいます。

当科では手術を行うことで癌の根治が望める方には積極的に手術を行い、根治が望めない患者さんにも1日でも長く健康的に生活してもらえるように抗癌剤治療(化学療法)、放射線治療を行っています。

2.大腸癌の治療

当院で行っている手術治療の多くは低侵襲を目的とした鏡視下手術です。ここ数年は予定手術の約85%以上は腹腔鏡下手術とロボット支援下手術となっています。開腹手術に比べ傷が小さくそのため術後の回復が早いという利点があります。

鏡視下手術は傷が小さく、痛みが少なく、術後回復が早いと利点がありますが、自らの手で直接行う開腹手術とは違い鉗子を用いて行うこと、カメラで映る狭い範囲しか見えないことなど様々なデメリットもあります。そのため患者さんが希望したとしても適応とならない場合もあります。

大腸癌の治療

また当院では直腸癌に対してロボット支援化手術を導入しております。直腸癌に対するロボット支援下手術は2018年に保険適応となりましたが結腸癌に対するロボット支援下手術は2023年に入り保険適応となったばかりです。導入にあたっては特別な施設基準を満たす必要があり、現在準備をすすめております。

当院では腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術、開腹手術全ての手術に対応しています。加えて術後の最適な経過観察や抗癌剤治療などの経験も豊富です。外来、入院ともにしっかりと患者さんをサポートしていきます。

腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術
腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術