法医解剖の知見を活かし、社会問題の解決に貢献します。

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日本大学医学部 社会医学系法医学分野のホームページへようこそ

本分野は、1928年に本学医学科にて法医学講義が開始され、1951年に初代教授・上野佐先生のもと法医学教室が開設されました。その後、1985年より押田茂實教授が教室を主宰し、2020年以降は奥田貴久が教室運営を任されております。

当教室は、法医学の知識と技術をもって社会的使命と責任を果たすことを目指しています。中でも、予期せぬ死の死因を明らかにする法医解剖は最も重要な業務で、解剖を通じて死因や死亡推定時刻の鑑定を行っています。

加えて、突然死の病態生理、アルコール代謝酵素と臓器障害、ナノポアシークエンサーを用いた個人識別などの研究、法医解剖の疫学的知見の社会還元などのにも取り組み、社会医学系分野の一員として幅広く社会問題の解決に貢献しています。

2024年には日本法医学会より「法医認定医施設A」に認定され、教育・研究・実務の体制もより充実しました。今後も高い専門性を持つ人材を育成し、法医学を通じて社会に貢献してまいります。

TOPICS

2025/04/1
船越助教が着任しました。
2025/03/4
警視庁捜査一課より山口准教授に感謝状が贈呈されました。
2025/03/1
第563回日大医学会例会で青木助教が発表を行いました。
2025/02/28
奥田教授が科学研究費助成事業(基盤研究C)に採択されました。
2025/02/1
Podcast番組 「キャリア探偵の事件簿」に奥田教授が出演しました。
2024/11/28-29
日本DNA多型学会第33回学術集会にて千葉正悦上席研究員が、「MinIONを用いたmtDNA全配列解読およびSTR多型解析の改良法について」を発表しました。
2024/10/26
日本経済新聞夕刊「親子スクール理科学」コーナーにて、千葉上席研究員と奥田教授の監修によるDNAでなぜ個人が分かる?4つの物質の並び方がカギ」が掲載されました。
2024/10/21
PreBSLシンポジウムにて、阿部祐二氏、山田敏弘氏が講演しました。
2024/10/17
PreBSLシンポジウムにて、木村もりよ氏が講演しました。
2024/10/12
第93回日本法医学会学術関東地方集会にて山口るつ子准教授が、「若年女性の特発性冠動脈解離の一剖検例」を発表しました。
2024/07/24-25
第46回日本中毒学会総会・学術集会にて山口るつ子准教授が「トリクロロエチレン中毒の一剖検例」を発表しました。
2024/06/06
第108次日本法医学会学術全国集会で千葉正悦上席研究員が、「第三世代シークエンサー"MinION"を用いたSTR解析」を発表しました。
2024/07/31
青木助教が、日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援に採択されました。
2024/05/31
太田専修研究員が退職しました。
2024/04/01
青木助教、上野技術員が着任しました。
2024/03/31
法医認定医の資格を得るのに必要な法医実務・研究・教育体制を備える施設として、日本法医学会法医認定医施設Aの認定を受けました。
2024/02/10-11
第29回日本SIDS・乳児突然死予防学会学術集会にて山口るつ子准教授が、「拡張型心筋症が疑われた生後1ヶ月児における乳児突然死事例」を発表しました。
2023/11/16-17
日本DNA多型学会で千葉上席研究員が「MinIONを用いたmtDNAの全塩基配列の解読」を発表しました。
2023/09/01
槇内秘書が着任しました。
2023/07/31
磯部助手が退職しました。
2023/07/14
法医学分野解剖補助員募集のお知らせ
2023/07/14
法医学分野秘書募集のお知らせ
2023/06/01
山口准教授が着任しました。
2023/04/01
千葉上席研究員が着任しました。
2023/02/27
遠隔看取り研修会が開催されました。
2023/02/21
奥田教授のインタビュー記事が週刊文春に掲載されました。
2023/02/13
遠隔看取り研修会が開催されました。
2023/02/10
奥田教授のインタビュー記事がNewsweek日本版に掲載されました。
2023/02/08
遠隔看取り研修会が開催されました。
2023/02/06
遠隔看取り研修会が開催されました。
2022/10/28
社会医学系法医学分野の准教授公募について

この度,本学部では社会医学系法医学分野の准教授を選考することになりました。法医学領域全般にわたり研究,教育活動に従事できる方を公募いたします。
選考方針および水準については以下のとおりです。
1) 法医学の教育・研究の十分な実績を有する。
2) 博士(医学)の学位を有する。
3) 医師の場合,法医解剖の十分な実績を有する。
詳細は募集要項をご覧ください。

2022/10/21
PreBSL社会医学で事件リポーターの阿部祐二氏、国際ジャーナリストの山田敏弘氏が講演しました。
2022/09/30
内ケ崎准教授が退職しました。

内ケ崎氏は東京医科大学医学科法医学分野に着任しました。

2022/09/14
本学法学部にて、法医学Ⅱ(担当奥田教授)が開講されました。
2022/09/12
医師による遠隔での死亡診断をサポートする看護師を対象とした研修会を開催しました。
2022/09/06
医師による遠隔での死亡診断をサポートする看護師を対象とした研修会を開催しました。
2022/06/21
奥田教授がテレビ朝日系列【スーパーJチャンネル】に出演しました。
2022/06/10
内ケ崎准教授が第106次日本法医学会学術集会で「新型コロナウイルスワクチン接種後の死亡例」について発表しました。
2022/06/09
磯部助手が第106次日本法医学会学術集会で「多剤併用による急性薬物中毒」について発表しました。
2022/04/06
研究協力員の太田さんが入局しました。
2022/02/16
死体検案講習(上級)が開催されました。
2021/12/19
磯部助手がアルコール・薬物依存関連学会合同学術総会のシンポジウムで、「薬物相互作用」について発表しました。
2021/12/10
奥田教授のインタビュー記事がFRIDAYに掲載されました。
2021/10/22
PreBSL社会医学にて、事件リポーターの阿部祐二氏が講演を行いました。
2021/09/30
奥田教授のインタビュー記事がNewsweek日本版に掲載されました。
2021/09/15
本学法学部にて、法医学Ⅱ(担当奥田教授)が開講されました。
2021/07/19
奥田教授が茨城Ai研究会で特別講演を行いました。
2021/07/09
奥田教授が科学研究費助成事業(挑戦的萌芽)に採択されました。
2021/05/20
死体検案講習(上級)が開催されました。
2021/04/24
奥田教授の同居孤独死に関するインタビューが掲載されました。
2021/04/01
鉄講師が科学研究費助成事業(基盤研究C)に採択されました。
2021/03/30
当教室のホームページをリニューアルしました。
2021/02/28
教室秘書の安田さんが退職されました。

1994年より、教室の秘書として働いていた安田美代子さんが2021年2月末日をもって退職されました。四半世紀以上の間、ありがとうございました。

2021/01/08
教室秘書の大平原さんが入局しました。

新しい教室の秘書として、大平原歩己さんが2021年1月8日に入局しました。医局の業務以外にも、解剖業務の手伝いも出来る有難い新人です。

2020/12/23
奥田教授の教授就任講演(日大医学会)が開催されました。

2020年12月23日に、日本大学医学会の主催で奥田貴久先生の教授就任講演が医学部記念講堂で開催されました。演題名は「多臓器を対象としたアルコール医学研究」で、多数の教員が聴講に来ていました。

2020/12/17
教室技手の飯酒盃さんが定年退職されました。

1999年より、教室の技手として働いていた飯酒盃勇さんが2020年12月17日に定年退職されました。長い間、ありがとうございました。

2020/06/01
当教室の法医解剖を再開します。

5月25日の緊急事態宣言の解除に伴い、中断していた埼玉県と茨城県の法医解剖の受け入れを6月1日より再開しました。併せて、医局の変則勤務等も解除しました。

2020/04/13
緊急事態宣言の発令に伴い、当教室の法医解剖は一時中断します。

4月7日の緊急事態宣言の発令に伴い、県をまたぐ移動となるため当教室で契約している埼玉県と茨城県の法医解剖の受け入れを4月13日より一時的に中断しました。この間、当教室では医局員を交互に出勤する措置が取られ、医局の会議等はオンラインで実施しました。

2020/04/01
第3代教授に奥田先生が着任しました。

2020年4月1日付で社会医学系法医学分野の第3代教授として、日本医科大学より奥田貴久先生が着任しました。

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教授よりご挨拶

法医学を志す学生・若手医師へ

テレビで人気の法医学ドラマはなぜ面白いのでしょうか。それは、人間味溢れる自立した法医学者が、医学/科学に裏打ちされた推理で難問を解決していくからです。法医学の真の目的が鑑定である以上、科学者としての目線は必要です。本学法医学分野は、1951年の開設以来、異彩を放つ法医学者を多数輩出してきました。この良きDNAを受け継ぎ、研究に立脚した特徴的な法医学者となれるよう指導させていただきます。法医学の道を志す学生・若手医師がいらっしゃれば、是非ご連絡ください。

Interview

対談
(インタビューアー:山田敏弘)

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1951年に開設された日本大学医学部の法医学教室は、附属板橋病院のすぐ隣に位置する基礎教育研究棟にある。
2020年4月、法医学教室の3代目の教授として奥田貴久先生が着任した。奥田教授に、法医学の魅力について聞いた。

そもそも法医学とは、どんな学問なのでしょうか?

法医学というのは、法律上の問題となる事柄に医学の原則を適応し、問題の解決にあたる学問です。簡単に言うと、殺人事件や突然死など予期できなかった死のケースで、医学的にその死因などを究明すべく鑑定を行います。主要な業務は法医解剖ですが、それ以外にも法医解剖や死因究明などに関連した研究も行っています。

法医学はテレビや映画で題材になることが多く、かっこいい仕事という印象がありますね。

解剖を行なって真相に迫っていく仕事ですが、ただそれだけではないのも事実です。
実際の現場は……残念ながらテレビなどで描かれるようにはいきません。法医解剖は、汚い、きつい、 危険、臭い、気持ち悪い、などと言われることもあります。

大変なのになぜ法医学をやっているのですか?

やはり法医学の分野には魅力があるのです。ご遺体を法医解剖でじっくりと調べて、薬毒物検査などさまざまな検査を行ない、正確な死因を鑑定する。医学や科学に裏打ちされた検証によって死因を特定していきます。医学部の授業の中でも法医学の人気が高い理由は、やはり学問として魅力があるからなのです。

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法医学の世界では、法医解剖だけではなく、法中毒学や法遺伝子学などの研究などもやるのですね。

はい。われわれの法医学教室では、アルコールが人体に及ぼす影響に関する研究や突然死の研究、進歩が著しいDNAを使用した個人識別なども力を入れています。

こうした研究は私たちの生活にどう活かされるのですか?

人がどのように死んでいくのかを精査することで、生きている人たちが、何に気をつけて生きるべきかといった有益な情報が得られます。また国民がどのように亡くなっているのかを正確に知ることで、公衆衛生や保健政策にも貢献できます。
例えば、日本の法医解剖の4割から体内アルコールが検出されている実態があり、アルコール性肝疾患やアルコールと突然死の相関関係などについて解明しようとしています。
DNAに関する研究なら、犯罪調査や遺骨鑑定だけではなく、大規模な災害などの身元調査などでも社会に貢献します。

奥田教授はもともと臨床医だったそうですね?

私は日本医科大学を卒業してから、形成外科医になりました。そして分子生物学を勉強したいと思い大学院に進学しまして、そこで同大学卒業者であるアメリカの法医学者、トーマス野口先生と出会ったことがきっかけで法医学の道に進みました。

トーマス野口先生は、地域の死因究明を担うアメリカ・ロサンゼルス郡検視局の局長を長年勤めた日本人法医学者ですね。

はい。女優のマリリン・モンローや政治家のロバート・ケネディなど多くの有名人を解剖した野口先生から、法医学者としての心構えを学びました。特に、「法医学は臨床に役立たなければならない」という先生の言葉が印象に残っています。野口先生は、法医学者ならば、国民の知る権利に答え、広く法医学の知見を共有しなければならないという信念をおもちで、社会を揺るがすような死亡事件が起きれば、積極的に記者会見を開くなど国民に訴えかけてきました。

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(写真左より奥田・メリーランド州OCMEのDr.Fowler・トーマス野口氏)

アメリカの法医学の印象は?

アメリカの法医学者は自ら現場検証を行なって、法医解剖を行い、法廷でも証言を行います。まさに「ドクター刑事」ですね。
私もアメリカ留学で、実際に検視局で解剖と現場検証の修行を積みました。
そして帰国後は研究にも力を入れおり、その成果が評価されて日本学術振興会から研究予算を獲得したこともあります。

法医学の道に進むことに迷いはなかったですか?

迷いはありませんでしたが、アメリカの医師免許をとってアメリカで法医学に進むか、日本でやるかというところで迷いました。幸運にも法医学のポジションを出身校で確保できたので、日本をベースに活動することに決めました。

法医学者になってよかったことはありますか?

法医学者は単に解剖だけをやってればいいわけではなく、そこから得た教訓を社会に還元することや、学生教育も求められます。日本大学の教授に着任してから、医学部だけでなく、法学部や危機管理学部でも講義をすることになったのでうれしく思っています。法医学の枠を超えた社会学者として発信していきたいですね。

法医学者として現代の社会をどう見ていますか?

法医学をやっていると、普段はなかなか表に出てこない社会の病理を目の当たりにすることがあります。アメリカでは、法医解剖を通して、銃、薬物依存、人種差別の深刻な状況を見てきました。日本でも薬物関連死を多く扱いますし、最近はひきこもり中年者の孤独死や老老介護の共倒れなど社会の歪みを感じます。

これまでに苦労されたことは?

人生はなかなか思い通りにはいかないもので、出身校の教授選に敗れて悔しい思いをしました。あとは、留学中は英語で苦労しましたね。英語論文は書けても会話は難しいですね。

もともと日本大学医学部の法医学教室は、押田茂實先生や上野正彦先生など著名な法医学者が在籍していた伝統があります。今後、どんな法医学教室にしていきたいですか?

日本大学医学部社会医学系法医学分野は、確かに異彩を放つ法医学者を多数輩出してきました。そんな伝統のある法医学教室のDNAを受け継いで、地域を支える法医学者を数多く育てることが私の使命だと思っています。

また私は世界で有益性が認められているご遺体をCTなどで撮影する法医画像診断(オートプシーイメージング)の研究も行ってきました。本学でもこれから積極的に画像診断を取り入れたく、準備したいと考えております。

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(似顔絵、左より奥田、押田茂實名誉教授)

法医学に少しでも興味をもっている研修医や学生にメッセージはありますか?

法医学者は幅広い知識が求められます。医学生や臨床研修中は何事にも積極的に取り組み、さまざまな分野の知識を吸収してください。臨床研修を修了後、やっぱり法医学者になりたいなと思うなら、ぜひ日本大学医学部に見学に来てください。

また、学生時代に法医学に興味を持っていたけど、卒後臨床医としてキャリアを積んだ若手医師の先生がいらっしゃるなら、これまでの臨床経験を法医学に活かしつつ、法医学者として第二のキャリアを歩めるように指導させていただきます。

加えて、薬物分析などの法科学関連職を希望の方がいらっしゃれば、是非われわれの仲間になって一緒に研究をすすめましょう。

教室について

医局員紹介

教授

奥田 貴久
(オクダ タカヒサ - Takahisa Okuda) MD.,PhD.

  • 日本医科大学客員教授
  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本法医学会認定医
  • 日本アルコールアディクション医学会学術評議員
  • 日本法医学会評議員
  • 賠償科学会評議員
研究テーマ
  • アルコール脱水素酵素の臓器障害発症への関与
  • 死後画像診断学
  • 新しいデバイスを用いたDNA多型に関する研究

法医解剖はもちろんのこと、アルコール医学やDNA多型の基礎研究も行っています。臨床経験や専門医資格もあり、基礎・臨床の垣根を超えたクロストークができることが強みです。趣味は、ゴルフ・旅行・読書。

准教授

山口 るつ子
(やまぐち るつこ - Rutsuko Yamaguchi) MD., PhD., MPH

  • 日本法医学会法医認定医
  • 日本救急医学会救急科専門医
  • 日本外科学会認定登録医
  • 社会医学系専門医・指導医
  • 日本中毒学会認定クリニカル・トキシコロジスト
  • 公衆衛生学修士(Master of Public Health: MPH)
研究テーマ
  • 法医解剖事例における疫学研究(医療関連死、労働災害関連死などの分析)
  • 死後画像診断学
  • 法医解剖情報のデータベース化に関する研究

法医学を専門とする前の救急医・外科医としての臨床経験、また公衆衛生学修士(MPH)としての視点から、法医解剖で得られた情報の臨床医学の現場や社会への還元をテーマに疫学的研究・診断学的研究を行っています。

助教

船越 丈司
(フナコシ タケシ - Funakoshi Takeshi) PhD.

  • さいたま看護専門学校 非常勤講師(生化学、栄養学)
  • 東京科学大学 非常勤講師
研究テーマ
  • 薬毒物による細胞死・細胞障害機構の解明

薬毒物によるアポトーシスなどの細胞死やMitotic catastrophe、細胞老化などの細胞障害機構に関して生化学的・分子生物学的研究を行っています。また長年薬物分析に従事しており、今後分析化学の手法を研究に活かしていけたらと思っております。

助教

青木 弥生
(アオキ ヤヨイ - Yayoi Aoki) PhD.

  • 東京都毒物劇物取扱者
研究テーマ
  • 小児感染症とアレルギー発症
  • 薬物中毒における重症度診断の新指標の探索

法医学だけでなく、免疫学や生化学といった生命科学的な観点からも解析を行い、総合知による研究を目指しています。研究や鑑定で得た成果を社会に還元し、法医学という学問について一人でも多くの方に知ってもらうことが目標です。

上席研究員

千葉 正悦
(チバ ショウエツ - Chiba Shoetsu) PhD.

研究テーマ
  • 薬物トランスポーターを介した違法薬物(麻薬、覚せい剤)の体内動態(特に腎排泄)についての研究
  • 唾液及び指紋中のDNA由来細胞の探索

長年、法中毒学会とDNA多型学会という全く異質の学会に所属し、同時に研究発表を行ってきました。いわば、法医学会内での「二刀流」を、大谷選手より先駆けて実践してきました。趣味の調理学を加えると、驚異の「三刀流」になるでしょうか。

研究技術員

上野 律
(ウエノ リツ – Ritsu Ueno)

臨床検査技師

秘書

槇内 陽子
(マキウチ ヨウコ – Makiuchi Yoko)

看護師

名誉教授

押田 茂實


客員教授

美作 宗太郎


非常勤講師

網干 博文
岩上 悦子
内ケ崎 西作
大野 曜吉
勝又 純俊
小林 智哉
高橋 茂樹
鉄堅
橋本 悟
長谷川 巌
向井 敏二


上席客員研究員

根岸 靖幸
髙成 広起


客員研究員

太田 昴矢
成尾 宗浩
山田 敏弘

教育・講義

学部教育では、医学部・歯学部・法学部・危機管理学部において法医学講義を展開しており、法学部では行政官・法曹志望の学生にも好評です。医学部では、社会医学演習として「薬害」、「医療倫理」、「医療安全」、「コミュニケーション」「キャリア形成」などのテーマに基づくシンポジウムを実施し、臨床実習前の心構えを育んでいます。

大学院教育では、法医学を大学院主科目として法医学者を目指すコースの他、特定の研究のみを行う副科目コースを用意しています。

担当講義

医学部教育

講義名のリンク先は、日本大学医学部の電子シラバスです。

2025年度

歯学部

法学部

  • 前期 法医学I (山口) PDF
  • 後期 法医学II(奥田) PDF

危機管理学部

  • 前期 法医学(奥田) PDF

他大学教育

  • 東京大学(山口)
  • 千葉大学(山口)

大学院教育

医学研究科教育

講義名のリンク先は、日本大学医学部の電子シラバスです。

2025年度

実務・社会貢献

法医解剖

法医中毒学

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法医中毒学は、犯罪や事故、薬物依存に関連する薬物を研究する分野です。特に日本では、一酸化炭素中毒が最も多く、練炭自殺や暖房器具の換気不足が主な原因とされています。他にも、アルコールや向精神薬、硫化水素、シアン化合物、農薬などによる中毒事例が報告されています。動植物由来の中毒、例えばフグや毒キノコによる中毒も少なくありません。

当分野では、以下のような分析手法を駆使して中毒に関連する物質を迅速かつ正確に測定しています

  • 一酸化炭素やアルコールの測定:分光光度計やガスクロマトグラフィーを使用して短時間で測定可能です。
  • アルコールの代謝物の測定:エタノールの他、アセトアルデヒドやアセテートも測定し、飲酒量や飲酒時間の推定に役立てています。
  • その他の薬物の測定:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や超高速液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(UPLC/MS/MS)を用いて、規制薬物や毒物の詳細な分析を行います。
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これらの分析は、法医解剖の一環としてだけでなく、警察や弁護士からの依頼を受けた鑑定業務としても実施しています。特に、犯罪や自他殺事例の解明において、これらのデータは極めて重要な役割を果たしています。

DNA鑑定

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当分野では、DNA検査法が普及する以前より、親子間をはじめ、兄弟姉妹や祖父母と孫などの血縁関係に関する鑑定業務を行ってまいりました。現在では、試料の状況に応じて、STR法(短鎖反復配列)、SNP法(一塩基多型)、DIP法(挿入欠失多型)、mtDNA法(ミトコンドリアDNA)など、複数のDNA解析手法を用いた精度の高い鑑定を実施しています。

新生児の取り違えが疑われる事例や、父または母のいずれか一方と子の血縁関係を明らかにする鑑定、病理検体の取り違えに関する事例にも対応しており、実際のご依頼に応じて最適な検査法を選択しています。

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鑑定試料としては、口腔粘膜(頬の内側の細胞)を主に使用しますが、必要に応じて毛髪、爪、吸い殻などに付着した体細胞などからも検査が可能です。血痕、唾液斑、衣類などに付着した細胞を対象としたDNA個人識別鑑定も行っております。また、必要に応じてY染色体STRやX染色体STRといった、性染色体に基づく検査を用いて、より適切な判定を行っています。

なお、当教室ではDNA鑑定の公平性と正確性を確保するため、すべてのご依頼については弁護士を通じた正式な手続きを必要としております。当事者ご本人からの直接のご依頼は受け付けておりませんので、ご了承ください。

歯科法医学

歯は軟組織と異なり、死後の変化に対して影響を受けにくく、高い原型保存性を持つため、生前のさまざまな情報を長期間にわたって提供してくれる重要な部位です。歯は萌出時には健全ですが、年月の経過とともに齲蝕や歯科治療による修復・補綴などの痕跡が残り、合成樹脂や金属を用いた処置の記録が口腔内に長く保存されます。また、これらの所見は指紋に匹敵する、あるいはそれ以上の多様性を示します。

歯科治療を受けた記録は、治療時のエックス線写真やカルテとして歯科医院に保管されており、不幸にも亡くなった身元不明遺体の歯の所見と、生前の記録を比較照合することで、現場で迅速な身元確認が可能となります。この事実は、1985年に発生した日本航空機墜落事故や、2011年の東日本大震災においても実証されています。

さらに、生前の歯科記録が存在しない場合でも、乳歯の歯胚形成から永久歯の歯根完成までの発育過程を参考にすることで、若年の遺体に対して非常に正確な年齢推定が可能です。また、成長発育を経た遺体についても、歯の各種加齢変化を指標として、ある程度の精度で年齢を推定できるため、身元特定に向けた重要な情報となります。

当分野では、日本大学のスケールメリットを活かし、身元不明遺体の法医解剖において歯学部法医学講座と協力し、口腔内の各種歯科検査を積極的に実施しています。

研究

アルコール脱水素酵素の臓器障害発症への関与

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酒類の主成分であるアルコール(エタノール)は、時に深刻な医療・社会問題を引き起こします。全世界では、アルコールに関連する健康被害により年間約330万人が命を落としており、日本においても社会的な影響は無視できません。実際に、法医解剖の約30~40%のご遺体から、血液または尿中にエタノールが検出されています。

エタノールは主に肝臓で代謝され、その初期段階ではアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドへと酸化されます。ADHには複数のアイソザイムが存在しますが、その中でもclass III アルコール脱水素酵素(Adh5)は、高濃度の血中アルコール下での代謝に重要な役割を担っていると考えられています。

Adh5はほとんどすべての哺乳類の組織に広く分布し、エタノール代謝だけでなく、S-ニトロソグルタチオン(GSNO)の還元にも関与しています。GSNOは一酸化窒素(NO)関連の細胞内シグナルに関係しており、Adh5の活性変化が生体機能に与える影響は、近年注目されています。

しかしながら、慢性的な飲酒がGSNO活性に及ぼす影響や、それが臓器障害にどう関与するかについては未解明な部分も多く、私たちはこの点に注目して研究を進めています。現在、日本学術振興会(JSPS)の科研費(#16K09223、#19H04038、#20K09512)の助成を受け、アルコール性肝疾患、アルコール性骨粗鬆症、アルコール関連突然死などの病態メカニズムの解明に取り組んでいます。

ナノポアシークエンサーによる新しいDNA鑑定技術の開発

法医鑑定の重要な実務のひとつに「個人識別」があります。その中でも、DNA鑑定は極めて信頼性の高い方法として広く用いられています。しかし、現在主流のDNA鑑定では、劣化により断片化したDNAや、複数人のDNAが混在した混合試料の解析には限界があります。

私たちは、こうした課題を解決する手段として、革新的な「ナノポアシークエンサー」に注目しています。この技術は、繰り返し配列であるSTR(Short Tandem Repeat)を正確に読み取ることができ、さらにミトコンドリアDNA(mtDNA)の全塩基配列の解読も可能です。ナノポアシークエンサーを活用することで、これまで識別が困難であった劣化DNAや混合DNA試料においても、より高精度な個人識別が可能となります。これにより、複雑な鑑定事例に対するDNA解析の信頼性が飛躍的に向上すると期待されます。

本研究は、犯罪捜査や飛行機事故・大規模災害における身元確認、さらには遺骨鑑定や民事事件における親子鑑定など、さまざまな場面での個人識別に貢献すると予測されます。この研究は、日本学術振興会(JSPS)の科研費(#21K19675、#25K13663)の助成を受けて実施されています。

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法医解剖事例の疫学的研究

法医解剖によって得られた知見を社会に還元するための疫学的な研究として、これまで診療関連死や、労働災害死事例について事例集積による分析を行っています。診療関連死事例については、転倒・誤嚥事故など医療・介護施設の管理責任が問われる事例の増加、非刑事事件化等の傾向が見出されましたが、法的制限の中、医療の質の評価や事故再発予防施策に資するための情報開示の方法が依然課題であり、解剖の情報が事案の解決、法的処遇に与えた影響等についても調査予定です。この研究は、JSPS科研費助成金(#19K193800)によって支援されています。
労働災害死事例については、高齢労働者の割合が他先進国と比して多いこと、外国人労働者の割合が他の法医解剖事例に比べ有意に多く事故の種類にも一定の傾向があることなどが見出され、本邦で増加傾向にあるこれらの労働者層の特性に配慮した安全施策が必要であることが示されました。
また本来、こうした課題には全国レベルの検証が必要であり、それには本邦では未整備である異状死データベースが不可欠です。このようなデータベース構築、蒐集すべき情報・記載および入力法の標準化の方法を確立すべく、死因究明において先進的な制度を持つ諸外国の法医学施設の視察・情報交換による比較研究も進めています。

薬毒物によって誘導される細胞障害機構の解明

法医鑑定において、薬毒物などによる中毒を研究することは、死因の特定、事件の真相を解明するうえで、極めて重要な役割を果たします。
そのため私たちは、抗精神病薬やてんかん薬などの処方薬、覚せい剤やコカインなどの違法薬物などを過剰に摂取した際に引き起こされる細胞障害機構を解明するために、生化学的、分子生物学的、分析化学的手法を用いて研究を行っています。特にゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスといった複数のオミクスデータを統合的に解析するトランスオミクス解析により細胞毒性機序をより多角的に解析し、各薬物中毒特異的なマーカー因子を特定することを目指しています。加えてこれら特異的マーカー因子を法医鑑定に役立たせることを目標としています。
この研究は、日本学術振興会(JSPS)の科研費(#16K09202、#19K10682、#22K10605)の助成を受けて実施されています。

教室業績一覧

論文・報告書

2025年

原著論文

  • Komatsu M, Funakoshi T, Aki T, Unuma K: Aristolochic acid-induced DNA adduct formation triggers acute DNA damage response in rat kidney proximal tubular cells. Toxicology letters, 2025; 406: 1-8.

2024年

原著論文

  • Kojima M, Makino Y, Yamaguchi R, Motomura A, Yajima D, Inokuchi G, Saito N, Torimitsu S, Hoshioka Y, Urabe S, Yoshida M, Iwase H, Miyati T: Gray-white matter contrast reversal on T1-weighted spin-echo in postmortem brain. Forensic Science International, 2024; 360:112031.
  • Hoshioka Y, Torimitsu S, Makino Y, Yajima D, Chiba F, Yamaguchi R, Inokuchi G, Motomura A, Tsuneya S, Iwase H: Sex estimation from skull measurements of a contemporary Japanese population using three-dimensional computed tomography images. International Journal of Legal Medicine, 2024; doi: 10.1007/s00414-024-03319-8. Online ahead of print.
  • Toi T, Tsuneya S, Inokuchi G, Chiba F, Hoshioka Y, Nagasawa S, Yoshida M, Yamaguchi R, Torimitsu S, Inoue H, Motomura A, Yajima D, Makino Y, Iwase H: Characteristics of indoor and outdoor fatal hypothermia cases in Chiba, Japan. Legal Medicine (Tokyo), 2024;71:102494.
  • Torimitsu S, Nishida Y, Yajima D, Inokuchi G, Motomura A, Chiba F, Yamaguchi R, Hoshioka Y, Tsuneya S, Iwase H, Makino Y: Assessment of differences in mechanical properties and thickness of temporal and occipital bones and correlation with age in Japanese forensic samples. Legal Medicine (Tokyo), 2024; 71:102503.
  • Kihara Y, Yamaguchi R, Chiba F, Torimitsu S, Nakajima M, Iwase H, Makino Y: Utility and limitations of postmortem computed tomography in animal abuse suspected cases: A case series study of cats. Forensic Imaging, 2024;37: 200587.
  • Yanagiya S, Honda T, Takanari H, Sogabe K, Nakamura S, Bando Y, Tsunemaya K, Abe M, Miki H: Raman microspectroscopy for label-free diagnosis of immunoglobulin light-chain amyloidosis in various organs. J Raman Spectroscopy 2024

2023年

原著論文

  • Matsuzaki S, Hase E, Takanari H, Hayashi Y, Hayashi Y, Oshikata H, Minamikawa T, Kimura S, Ichimura-Shimizu M, Yasui T, Harada M, Tsuneyama K: Quantification of collagen fiber properties in alcoholic liver fibrosis using polarization-resolved second harmonic generation microscopy. Scientific Reports, 2023 ;13(1):22100.
  • Haseba T, Maruyama M, Akimoto T, Yamamoto I, Katsuyama M, Okuda T. Class III Alcohol Dehydrogenase Plays a Key Role in the Onset of Alcohol-Related/-Associated Liver Disease as an S-Nitrosoglutathione Reductase in Mice. Int J Mol Sci. 2023 Jul 28;24(15):12102.
  • Yamaguchi R, Makino Y, Torimitsu S, Inokuchi G, Chiba F, Yoshida M, Tsuneya S, Oya Y, Yajima D, Iwase H. Occupational accidental injury deaths in Tokyo and Chiba prefectures, Japan: A 10-year study (2011-2020) of forensic institute evaluations. J Forensic Sci. 2023; 68(1): 185-197.
  • Takanari H, OkuyamaW.M, Kuroki K, Kondo H, Kira S, Miura M, Takahashi N, Okuda T: A Case Report of Acute Cardiac Tamponade Creation in a Macaque: Echo-Guided Catheter Manipulation to Perforate Coronary Artery. Yonago Acta Med. May 2023.
  • Abe Y, Takano C, Tie J, Isobe E, Ohirabaru A, Isahai I, Nishiyama H, Jike T, Masuda S, Okuda T:Sudden death of a child associated with invasive non-typeable Haemophilus influenzae infection with underlying IgG2 subclass deficiency. Leg Med. April 2023
  • Tie J, Takanari H, Ota K, Okuda T: Role of miR-143 and miR-146 in Risk Evaluation of Coronary Artery Diseases in Autopsied Samples. Genes 2023, 14(2), 471.
  • 岩上悦子, 勝又純俊, 奥田貴久:判例に学ぶいわゆる動物看護師による保定ミスが認められた獣医療訴訟(愛玩動物看護師法施行以前)MVM(32) No.208 Page109-114 (2023.1)

2022年

原著論文

2021年

原著論文

  • Tie J, Uchigasaki S, Isobe E, Iwakami E, Okuda T: Detection of deletion/insertion polymorphism profiles from single human hair shafts. Mol Biol Rep 2021.
  • Tie J, Uchigasaki S, Isobe E: Evaluation and SNP typing of DNA from ultraviolet-irradiated human bloodstains using TaqMan assay. Sci Rep 2021, 11(1):8029.
  • Naruo M, Negishi Y, Okuda T, Katsuyama M, Okazaki K, Morita R: Alcohol consumption induces murine osteoporosis by downregulation of natural killer T-like cell activity. Immun Inflamm Dis 2021,9(4):1370-1382.
  • Igarashi T, Takahashi H, Kobayashi M, Kunishige T, Arima T, Fujimoto C, Suzuki H, Okuda T, Takahashi H: Changes in Tear Osmolarity after Cataract Surgery. J Nippon Med Sch 2021, 88(3):204-208.
  • Igarashi T, Nakamoto K, Kobayashi M, Suzuki H, Tobita Y, Igarashi T, Okuda T, Okada T, Takahashi H: Serum Brain-Derived Neurotrophic Factor in Glaucoma Patients in Japan: An Observational Study. J Nippon Med Sch 2021, 87(6):339-345.
  • Igarashi T, Nakamoto K, Kobayashi M, Suzuki H, Arima T, Tobita Y, Takao K, Igarashi T, Okuda T, Okada T et al: Brain-derived Neurotrophic Factor in the Aqueous Humor of Glaucoma Patients. J Nippon Med Sch 2021, 88(2):128-132.
  • 多臓器を対象としたアルコール医学研究 奥田 貴久 日大医学雑誌 (0029-0424)80巻4号 Page199-202(2021.08)
  • 交通死亡事故 奥田 貴久, 山田 敏弘 日大医学雑誌 (0029-0424)80巻2号 Page97-99(2021.04)
  • 千葉 正悦, 呂 彩子, 向井 敏二, 早田 詩織, 飯酒盃 勇, 鉄 堅, 磯部 英二, 内ヶ崎 西作, 奥田 貴久:口腔内液(唾液)中DNAに関する研究(第2報). DNA多型 2021, 29(1):95-100.

2020年

原著論文

  • Haseba T, Okuda T, Maruyama M, Akimoto T, Duester G, Ohno Y: Roles of Two Major Alcohol Dehydrogenases, ADH1 (Class I) and ADH3 (Class III), in the Adaptive Enhancement of Alcohol Metabolism Induced by Chronic Alcohol Consumption in Mice. Alcohol Alcohol 2020, 55(1):11-19.

    2つの主要なアルコール脱水素酵素(ADH1及びADH3)がどのように連携して慢性アルコール摂取の適応強化に関連しているか検討した。WT/Adh1/Adh3遺伝子欠損マウスを10%エタノール水で1ヶ月飼育した。4.0g/kgエタノールを腹腔内に急速投与しアルコール除去率(AER)を測定、さらには特異的阻害剤4MPを0.5 mmol/kgの用量で同時に投与し、4MP感受性および非感受性AERを計測することでADH1およびADH1以外のアルコール代謝への寄与を調べた。AERはすべてのADH遺伝子型で慢性摂取によって強化され、特にAdh1遺伝子欠損マウスでは2倍以上に増加した。 4MP感受性AERはWTよりもAdh3遺伝子欠損マウスで増加し、一方Adh1遺伝子欠損マウスではADH3の増大によって4MP非感受性AER が増加したと考えられた。4MP非感受性AERは Adh3遺伝子欠損マウスでは増加しなかった。ADH1は慢性飲酒に不可欠であり、ADH3が欠損するとさらに強化される。ADH3はADH1が欠損したときにADH1に代わる代謝経路として強化される。

  • 鉄 堅, 内ヶ崎 西作, 磯部 英二, 岩上 悦子, 飯酒盃 勇, 千葉 正悦, 向井 敏二, 堤 博, 網干 博文: TaqMan Assay法を用いた毛髪からのSNPs検査について. DNA多型 2020, 28(1):56-59.
  • 千葉 正悦, 呂 彩子, 向井 敏二, 林 南帆, 鉄 堅, 飯酒盃 勇, 磯部 英二, 内ヶ崎 西作:口腔内液(唾液)中DNAに関する研究(第1報). DNA多型 2020, 28(1):60-63.
  • 勝山 碧, 長谷場 健, 石崎 正通, 佐佐木 喜広, 秋元 敏雄, 丸山 基世, 奥田 貴久:慢性エタノール摂取がマウス腎に及ぼす影響. アルコールと医学生物学 2020, 39:104-106.

参考

researchmap

競争的資金の獲得

継続中の研究

奥田 貴久

山口 るつ子

青木 弥生

完了した研究

奥田 貴久

山口 るつ子

船越 丈司

オプトアウト

身内の方が日大医学部で司法解剖となったご遺族様へ
- 医学系研究に関する情報及びご協力のお願い -

臓器・体液からの遺伝子多型検出に係わる新規分析法の開発と個人識別への応用

法医学の重要な役割のひとつに、身体から採取された試料から身元を特定する作業や犯罪捜査や大規模災害の現場で採取された組織や体液が誰のものかを判別する作業などの個人識別があります。個人識別にはさまざまな方法がありますが、遺伝子鑑定(DNA鑑定)が最も信頼性が高い方法と言われ、既に実用化されています。DNA鑑定とは、個人を特徴づけるDNA配列の違い(遺伝子多型)が存在する部位を検出し、その特徴をデータベースなどと比較する識別法です。近年、ONT社より、ナノポアテクノロジーを用いた新しい遺伝子解析(シークエンス)技術が開発されました。この新技術は今後の遺伝子解析の中心的役割を担うと期待されており、法医学の個人識別にも応用できる可能性があります。

研究実施機関

日本大学医学部社会医学系法医学分野

研究代表者

奥田 貴久 (おくだ たかひさ)

研究の目的

正確性、コスト、迅速性、簡便性などの観点から今後の遺伝子解析の中心的役割を担うと期待されている第3世代シークエンス技術をDNA鑑定に応用できるか検証し、新規分析法を開発することを目的とします。

研究試料とさせていただく対象

本学で行われる法医解剖(司法解剖や死因・身元調査法解剖)で採取された臓器・体液を対象とします。身内の方を本学で解剖させていただいており、その採取保存試料や情報が研究対象となっているか否かをお知りになりたい場合や、研究の対象として欲しくない場合は、お手数ですが下記問い合わせ先にご連絡下さい。

個人情報の取り扱い

本研究において、死者及びご遺族や関係者のプライバシー保護、人権の擁護に最大限配慮致します。特に、個人が特定されるような情報は発表致しません。また、この発表によって警察の捜査や裁判に影響を与えることはありません。本研究を学会や論文などで発表する際の倫理規定に関しては、日本法医学会の見解として「法医学研究の発表における個人情報等の保護に関する指針」を遵守して行っております。さらに、「日本大学医学部倫理委員会」にて「臓器・血液からの遺伝子多型検出に係わる新技術の開発と個人識別への応用」に関する倫理的配慮の方途が審議され、承認を得た後に行っております。

研究協力の任意性と撤回の自由について

本研究へのご協力についてはご遺族様の意思を尊重し、ご遺族様が不利を被ることなくいつでも同意を取り消すことができます。お申し出があった場合に限り、研究対象として選定しないようにいたしますので、以下の連絡先にご連絡下さいますようお願い致します。

問い合わせ先

日本大学医学部社会医学系法医学分野
担当者:奥田 貴久
電話番号:03-3972-8111(内線2277)
FAX番号:03-3972-8860
URL: https://www.med.nihon-u.ac.jp/department/medicolegal/optout.html


法医解剖の事例報告について

私ども日本大学医学部社会医学系法医学分野にて施行しております法医解剖は死因を究明し、捜査を助けるために行われています。一方で、その解剖は医学の進歩、公衆衛生、社会の治安維持に貢献し得る貴重な事例でもあります。そのため稀ではありますが、学会、医療界、社会に還元する意義が特に大きいと判断した事例は、学会や学術専門雑誌に「事例報告」として、事例の概要、解剖所見、検査結果などを研究成果として発表することがあります。

研究実施機関

日本大学医学部社会医学系法医学分野

研究代表者

奥田 貴久 (おくだ たかひさ)

研究の目的

本学で実施した法医解剖時の肉眼所見、検体の一部を用いた検査及び分析結果等の症例に関する情報を、「医療・行政(社会)・福祉・法曹分野等へフィードバックする」ために、「学術研究会や学術専門誌に発表すること」を目的とします。

研究試料とさせていただく対象

本学で行われる、及び過去に本学で行われた法医解剖(司法解剖や死因・身元調査法解剖)のご遺体の検査結果や事故などの情報を対象とします。身内の方を本学で解剖させていただいており、その採取保存試料や情報が研究対象となっているか否かをお知りになりたい場合や、研究の対象とはして欲しくない場合は、お手数ですが下記問い合わせ先にご連絡下さい。

個人情報の取り扱い

本研究において法医解剖の事例報告を行う際には、死者及びご遺族や関係者のプライバシー保護、人権の擁護に最大限配慮致します。特に、個人が特定されるような情報は発表致しません。また、この発表によって警察の捜査や裁判に影響を与えることはありません。本研究での事例報告を行う際の倫理規定に関しては、日本法医学会の見解として「法医学研究の発表における個人情報等の保護に関する指針」を遵守して行っております。さらに、「日本大学医学部倫理委員会」にて法医解剖の事例報告に関する倫理的配慮の方途を審議され、承認を得た後に行っております。

研究協力の任意性と撤回の自由について

本研究へのご協力についてはご遺族様の意思を尊重し、ご遺族様が不利を被ることなくいつでも同意を取り消すことができます。お申し出があった場合に限り、研究対象として選定しないようにいたしますので、以下の連絡先にご連絡下さいますようお願い致します。

問い合わせ先

日本大学医学部社会医学系法医学分野
担当者:奥田 貴久
電話番号:03-3972-8111(内線2277)
FAX番号:03-3972-8860
URL: https://www.med.nihon-u.ac.jp/department/medicolegal/optout.html


東京都の死体検案事例における異物による窒息死の実態把握及び予防対策に関する研究

研究実施機関

日本大学医学部社会医学系法医学分野(共同研究機関:東京都監察医務院)

研究代表者

山口 るつ子

研究の目的

気道内異物による窒息死の発生状況や、これにより亡くなった方々の年齢や性別、既往歴などの疫学的情報及び、事故発生の状況、窒息解除処置の有無やその内容を分析することで、異物による窒息の実態を把握し、今後の予防対策や救命処置に関する指針の提案に役立てるために行います。

研究試料とさせていただく対象

東京都監察医務院の管轄地域(東京23区及び立川署管内)において、西暦2010年1月1日~西暦2024年12月31日の期間に監察医により死体検案を施行された方のなかで、死因が気道内異物による窒息死と診断された方について、捜査機関などから収集された、亡くなった方の基本的な背景(年齢、性別、既往歴、介護状況など)、異物の種類と発生の場所、その場に居合わせた方による気道内異物除去の有無とその方法、医療従事者による救急処置、除去操作後の蘇生処置の有無とその方法、法医解剖が施行された事例についてはその所見などの情報を対象とします。

個人情報の取り扱い

対象となる方の、年齢・性別・既往歴などの基本的な背景や発生の状況、救命処置の内容などの情報を、個人や事件・事故を特定しうる項目についての情報を全て除外したうえで分析し、発生リスクを高める要因や救命の可能性について評価を行います。

研究協力の任意性と撤回の自由について

本研究へのご協力についてはご遺族様の意思を尊重し、ご遺族様が不利を被ることなくいつでも同意を取り消すことができます。お申し出があった場合に限り、研究対象として選定しないようにいたしますので、以下の連絡先にご連絡下さいますようお願い致します。

問い合わせ先

日本大学医学部社会医学系法医学分野
担当者:山口 るつ子
電話番号:03-3972-8111(内線2277)
FAX番号:03-3972-8860
URL: https://www.med.nihon-u.ac.jp/department/medicolegal/optout.html

日本大学医学部社会医学系法医学分野
〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1
TEL:03-3972-8111
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