臨床研究「喉頭乳頭腫に対するガーダシルの臨床効果に関する研究」への参加者を募集中です

2015.5

日本大学病院耳鼻咽喉科は喉頭や声の分野で先端的な研究や治療を行っています。難治性疾患である喉頭乳頭腫に対する研究もその一つです。「喉頭乳頭腫に対するガーダシルの臨床効果に関する研究」は2012年から(旧)駿河台日本大学病院で開始した臨床研究です。昨年秋に病院が新築移転したために被験者募集を一時中止していましたが、2015年6月より再開することに致しました。

1.喉頭乳頭腫とヒトパピローマウィルス

喉頭乳頭腫の多く(当院での割合は69.2%)はヒトパピローマウィルス(HPV)が原因です。HPVには50種類以上のタイプが存在しますが、喉頭乳頭腫を発症するタイプはHPV-6あるいはHPV-11です。これらのウィルスが喉頭粘膜に感染しているために手術を繰り返しても乳頭腫が完治しません。手術は必要ですが、ウィルスに対する治療も同時に行う必要があります。

2.ガーダシル注射の効果

HPV予防ワクチンであるガーダシルは子宮頸癌予防のために開発されたワクチンです。子宮頸癌の原因の一つであるHPV-16とHPV-18に対する抗体を産生する効果があります。さらに、このワクチンはHPV-6とHPV-11に対する抗体産生能力もあるために、これらのタイプが関連する尖圭コンジローマや喉頭・気管乳頭腫に対する予防効果もあります。

我々の研究では乳頭腫内はもちろんですが正常の喉頭粘膜内にもHPVが感染していることが明らかになりました。ワクチン注射を行うことで喉頭粘膜に抗体が存在すれば、周囲の正常喉頭粘膜に潜在していたHPVが手術後に再感染することを阻止できると考えています。すなわち予防ワクチン注射により手術後の再発を抑制できる可能性があります。

3.治療の実際

  1. 外来で詳細な喉頭観察や喉頭・声の検査を施行します。
  2. 外来で咽喉頭の麻酔を行い組織検査やHPV検査を施行します。
  3. 組織学的に乳頭腫と診断できた患者さんでHPV検査が陽性の場合に被験者として登録します。
  4. ガーダシル注射を施行します。この注射は初回、2か月後、4か月後の3回行います。
  5. 注射期間、あるいは注射終了後に入院・全身麻酔でレーザー手術を行います。
  6. 手術後も外来で喉頭観察を続け、再発所見があれば再手術を行います。
  7. 外来観察中に必要に応じて組織検査やウィルス検査を行います。

ウィルス検査やワクチン注射への費用負担はありません。他の費用については受診時に説明いたします。

4.臨床研究施行場所・担当医師

本研究に参加を希望される方は以下の病院、医師を受診してください。

〒101-8309 東京都千代田区神田駿河台1-6 日本大学病院耳鼻咽喉科
牧山 清(まきやま きよし)、松崎洋海(まつざき ひろうみ)
代表 03-3293-1711、予約専用電話 03-5577-3448
(JR御茶ノ水駅から徒歩5分です。初診の方法や注意点については日本大学病院ホームページに掲載しています。)