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主任教授ごあいさつ

更新日 : 2023. 2. 16

日本大学医学部精神医学教室は、昭和26年に創設され、優れた精神科臨床医を育てるという伝統のもと精神科の各専門領域で活躍する多くの人材を輩出してきました。多彩なバックグラウンドをもつ教室OBは、精神科病院、公立病院、クリニック、大学、産業精神保健、製薬業界など多様な現場で活躍しています。

私たちの教室の臨床の特徴は、最新の科学的エビデンスに基づきながらも、伝統的精神医学を重んじていることです。先人たちのきめ細かな臨床観察によって蓄積されてきた知見は、現代の医学研究の方法論の弱点を補うのに不可欠なものと考えます。精神病理学を背景とした丁寧な診療は、初代教授の井村恒郎先生の頃から続く私たちの伝統です。

当教室では、現代の多様化・高度化する精神科医療の現場でリーダーシップを発揮できる人材を育成するため、関連医療機関と一体となった充実した専門医プログラムを用意しています。情熱をもった教員および教室OBの下、精神保健指定医・精神科専門医取得に必要な知識・技能を確実に身に付けることができます。

指定医・専門医を取得後は、サブスペシャリティの取得も奨励しています。細分化する現代の精神科医療において、特定の分野について高い専門性をもつことは、活躍の場を広げるだけでなく、一般精神科臨床の深みも増してくれます。サブスペシャリティ教育においては、各専門領域の教育スタッフによる指導のほか、その分野のトップランナー施設で研修を受けることも可能です。

学位指導においては、日々の臨床で感じた疑問や課題を自らの研究によって解決することを推奨しています。当教室では、分子生物学、認知神経科学、精神生理学、疫学などあらゆる手法を用いて教室の伝統である「臨床で役立つ研究」に取り組んできました。近年は、交流のある欧州や米国の研究機関、医療の進歩に資する技術の開発に取り組んでいる企業との共同研究も積極的に進めています。経験豊富なスタッフによる丁寧な指導の下、未解決の精神医学的問題を解決できる喜びを感じながら、学位を取得することができると思います。

日本大学医学部精神医学教室では、多様な個性・特性をもった教室員が和気藹々としながらも切磋琢磨し、日々研鑽を積んでいます。このホームページをご覧になっているみなさんの中から新たな仲間が生まれることを心から楽しみにしています。

日本大学医学部精神医学系精神医学分野
主任教授 鈴木正泰