当分野は、学部生、大学院生、社会医学系専門医の教育や養成課程に携わっています。学部生に医学科を中心に、医療関係者の卒前教育や実習を提供しています。
近年の医師国家試験では、公衆衛生・疫学からの出題が全問題数の12%~14%を占めています。このように出題数が多い事実は、公衆衛生・疫学が、医学において極めて重要な学問領域であるかを示唆するものといえます。卒前教育では、医学部4年の「公衆衛生学」を中心に医学教育モデルコアカリキュラムに沿った内容での講義・実習を行っています。具体的な内容としましては、地域保健、母子保健、学校保健、成人保健、疫学などの各領域を担当しています。
https://www.med.nihon-u.ac.jp/syllabus.html
「問題解決公衆衛生学」では海外の公衆衛生大学院で行われているカリキュラムを簡略化して、学生をグループに分け、現在の公衆衛生上の問題に対して、分析した後、その結果をもとに政策やプロジェクトを企画立案し、さらに、利害関係者の分析を行い、実施につなげることを検討する課題学習を行っております。また、「疫学統計実習」では基本的な統計手法に関して、手を動かして実践するようにしています。法医学、衛生学、医療管理学の社会医学系分野と連携して「Pre社会医学実習」を担当し、キャリア教育を実施しております。
医学部6年においては、前半の「自由選択学習」では、当分野で実施している研究データの一部を使用して、健康問題に関する要因を、統計ソフトを使用して、分析し、最終的には学会発表を行っております。また、後半には国家試験対策を主眼とした集中講義を行っております。
他にも、医学部付属看護専門学校において公衆衛生学・関連法規に関する教育を行ったり、日本大学医学部医師会の産業医研修会での講演を行っております。
大学院では、医療に関わる多様な職種と様々な診療科をバックグラウンドとする医師が所属し、疫学を用いて健康問題を分析する研究を行っております。また社会医学系専門医を本学の他分野と共同で提供しています。大学院生・社会医学系専門医に関しては別のページをご参照ください。