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AMED 再生医療実用化研究事業による臨床研究
重症下肢虚血に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた細胞治療の実用化

AMED 再生医療実用化研究事業による臨床研究
重症下肢虚血に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた細胞治療の実用化

DFAT細胞写真
新着情報
2020年 7月 13日
週刊誌「AERA(アエラ)」2020年7月13日号にDFAT細胞に関する記事が掲載されました。
「再生医療で犬が椎間板ヘルニアを克服する日」という記事の中で、日本大学の杉谷博士元教授ら共同研究チームがDFAT細胞から犬の神経細胞を作ることに成功したことが紹介されました。この研究成果は、犬の… 続きはこちら
2020年 7月 1日
「DFAT細胞を用いた臨床研究」進捗についてプレスリリースを行いました。
2020年5月に1例目の患者さんに世界初となるDFAT細胞移植を実施し、現在のところ特に問題なく、順調に経過しています。移植後1年間の経過観察を行い、本細胞移植療法の安全性と有効性を評価する予定です。… 続きはこちら
2020年 2月 21日
「DFAT細胞を用いた臨床研究」開始に関するプレスリリースを行いました。
本件に係わる再生医療等提供計画を2020年2月17日に厚生労働大臣に提出し、日本大学医学部附属板橋病院にて、患者自身の脂肪細胞から作られる「DFAT細胞」を用いて世界初の血管再生医療の臨床研究を開始します。… 続きはこちら
2020年 2月 10日
本臨床研究の再生医療等提供計画を厚生労働省に提出しました
特定認定再生医療等委員会において適合判定を受けた結果をもとに、本臨床研究「重症下肢虚血患者に対する自家脱分化脂肪(DFAT)細胞移植に関する臨床試験」の再生医療等提供計画書を関東甲信越厚生局に届け出… 続きはこちら
2020年 2月 5日
令和元年度AMED再生医療公開シンポジウムにてポスター発表をしました
東京・TKPガーデンシティ品川にてAMED主催の令和元年度AMED再生医療公開シンポジウム「あなたとつくる、再生医療の今とこれから」が開催されました。このシンポジウムは、ニュースにもしばしば取り上げら… 続きはこちら
2020年 1月 27日
特定認定再生医療等委員会にて本臨床研究が適合判定を受けました
本臨床研究「重症下肢虚血患者に対する自家脱分化脂肪(DFAT)細胞移植に関する臨床試験」の再生医療等提供計画が、湘南鎌倉総合病院特定認定再生医療等委員会により、再生医療等提供基準に適合している旨の判定… 続きはこちら
2019年 10月 11日
第60回日本脈管学会総会ワークショップにて発表をしました
2019年10月10日〜12日まで東京・京王プラザホテルにて第60回日本脈管学会(会長 宮田哲郎先生)が開催されました。この学会で企画されたワークショップ「脈管疾患と再生医療」にて、「脱分化脂肪細胞を用い… 続きはこちら
2019年 9月 3日
令和元年度AMED再生医療研究交流会にてポスター発表をしました
東京・ベルサール東京日本橋にてAMED主催の「令和元年度AMED再生医療研究交流会」が開催されました。この会は、再生医療関連研究課題に参画する研究者を対象に研究者間の交流を深め、研究を加速することを… 続きはこちら
2019年 2月 5日
平成30年度AMED再生医療公開シンポジウムにてポスター発表をしました
東京・TKPガーデンシティ品川にてAMED主催の「平成30年度再生医療公開シンポジウム・なるほどthe再生医療」が開催されました。山中伸弥先生(京都大学iPS研究所所長)をはじめ、世界をリードする研究者から… 続きはこちら
2018年 9月 12日
平成30年度AMED再生医療研究交流会にてポスター発表をしました
東京・TKPガーデンシティ品川にてAMED主催の「平成30年度再生医療研究交流会」が開催されました。AMED再生医療関連研究課題の参加者を対象として、最新の研究紹介や、事業化の参考になる教育講演などが行わ… 続きはこちら
2018年 7月 19日
AMED再生医療実用化研究事業キックオフシンポジウムを開催しました
東京・日本大学会館にてAMED平成30年度再生医療実用化研究事業「重症下肢虚血に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた再生医療の実用化」キックオフ公開シンポジウムを開催しました。教育講演として、川本篤彦先… 続きはこちら
2018年 4月 27日
AMED平成30年度「再生医療実用化研究事業」に採択されました
AMED平成30年度再生医療実用化研究事業・再生医療等安全性確保法に従って実施する臨床研究として、「重症下肢虚血に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた再生医療の実用化」(研究開発代表者:日本大学医学部教… 続きはこちら

研究の概要

高齢化や生活習慣病の増加に伴い、動脈硬化により足の血管が詰まってしまう「閉塞性動脈硬化症(ASO)」が増加しています。閉塞性動脈硬化症が重症になると、安静にしていても足の痛みが生じるようになり、さらに進行すると足に潰瘍ができてしまいます。このような状態を「重症下肢虚血(CLI)」といいます。重症下肢虚血の予後は不良であり、発症1年後には30%が下肢大切断に、25%が死亡に至るとされています。近年、カテーテルを使った血管内治療やバイパス手術といった治療法に加え、新しい血管を作り出すことを目的とした細胞治療が試みられています。しかしこれまでの報告では、細胞治療はある程度血流を良くしたり痛みを軽減することはできるものの、予後に重要な足切断を回避する効果が十分に認められていません。また細胞の種類によっては採取に伴う患者さんの負担が大きかったり、高齢の患者さんや糖尿病などの持病のある患者さんでは作った細胞が効かないといったことが明らかになっています。私たちの研究グループが開発した「脱分化脂肪細胞dedifferentiated fat(DFAT) cells (ディーファット細胞)」は、私たちの体の中に豊富に存在する脂肪細胞を特殊な培養をすることによって作り出される多能性細胞です。これまでの研究により、DFAT細胞は、患者さんの年齢や基礎疾患に影響されず、高い血管を作りだす能力があることが明らかになっています。またiPS細胞と異なり、未分化な状態で移植しても腫瘍形成せず、安全に移植できることも確認しています。そこで私たちは、重症下肢虚血の患者さんから作ったDFAT細胞を血流の悪い下肢の筋肉内に注射することにより、血流を改善させ、足の切断を回避できるようになるのではないかと考えました。今回、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、重症下肢虚血に対するDFAT細胞を用いた細胞治療の安全性と有効性を確かめる世界発の臨床研究を計画しました。

DFAT細胞による血管再生細胞治療

DFAT細胞とは?

油滴を多く含み風船のような形をした脂肪細胞を天井培養という特殊な方法で培養することによって、人工的に作り出される多能性細胞です。日本大学の研究グループにより開発され、DFAT細胞と名付けられました。脂肪組織に微量に存在する幹細胞(間葉系幹細胞)に似た形質を示し、骨、軟骨、脂肪、血管、心筋などへ分化する能力があります。また細胞から分泌される液性因子の作用により、新しい血管を作って血流を良くしたり、傷を早く治すといった効果を示します。細胞治療に用いる細胞としてDFAT細胞には、患者さんの年齢や基礎疾患に影響されずに、約1gの脂肪組織から安定した治療効果を示す細胞を作ることができるといった特長があります。したがってこれまでの幹細胞を用いた細胞治療に比べ、より患者さんの負担が少なく、簡便で実用性の高い細胞治療が可能となることが期待されます。

DFAT細胞の調整法