日本大学医学部 病態病理学系 人体病理学分野

教授挨拶

教授挨拶

人体病理学分野 主任教授 羽尾裕之

 私が母校の日本大学に戻り、1年が経ちました。果たしてこの間、満足できる仕事ができたかと問われると疑問が残ります。私の大学人としての時間は限られています。誰もが平等に与えられる時間という枠の中で、できることを着実に進めていきたいと2年目の新年度を迎えて志を新たにしています。
昨年度は医学部の教育カリキュラムの大きな変更を受けて、2年生と3年生の複数学年で病理学の講義と実習がありました。病理学3分野の教室員の皆さんに尽力して頂き、無事教育プログラムを終えることが出来ました。
 研究面では、これまでのテーマの継続のため、機器や実験環境の配置を行いたかったのですが、十分な整備ができなかったことを反省しています。冠動脈の動脈硬化病変における画像と病理像の対比に関する研究では、教室に画像機器を導入し客員研究員と立ち上げをしました。ステント留置血管を含めた冠動脈病理に関するコンサルテーションも少しずつ増えてきています。
 基礎研究では心臓血管外科の大学院生2名と動物実験の研究計画を立てています。本年度は我々の仮説に基づいて実際の研究を始めデータを蓄積して行く予定です。どのような結果が得られるか今から非常に楽しみにしています。このワクワク感を若い大学院生と共有できたらと思っています。また、今年度からは麻酔科から1名の大学院生を迎えることになりました。基礎研究に非常に興味を持ってくれているので、実験動物や培養細胞を使った研究の準備を始めています。
 人体病理学分野の人事でも変化のあった年でした。本間琢先生は平成28年10月1日付けで助教から准教授に就いていただきました。今後も益々、専門分野である神経病理の分野での活発な研究活動と後進の指導に力を入れていただきたいと考えています。佐野誠先生は平成28年9月末で日本大学を退職されましたが、10月からは非常勤講師として学生の指導をお願いしています。また、膵癌発症モデル動物を用いた研究も、引き続き精力的に継続してもらっており、その成果を着実に発表してくれています。
 新しいメンバーも増えました。平成29年4月1日付けで、帯包妃代先生が助教として就任していただきました。彼女は循環器病理学の分野で学位を取得しており、診断業務はもとより、教室の研究の中心となって頑張っていただきたいと大いに期待しています。同じく4月から我々の研究を支える技師の向山敏夫さんにお手伝いをしていただくことになりました。我々病理医は組織切片が研究のための重要なツールです。向山さんにはこれまでの技師としての豊富な経験を活かし、研究のバックアップをしていただけたらと考えています。

 “Publish or perish.” かつて訪れた海外の研究室の壁に貼ってあった言葉です。研究成果を挙げられないのであれば、その研究者や教室は滅びるしかないという厳しい言葉ですが、私は大変新鮮な思いでこの言葉をしばらく見つめた記憶があります。一人の人間ができることは限られています。しかし、その制約があるからこそ我々は頑張れるのではないでしょうか。自分の信念を貫き、少しでも患者さんのためになる研究ができればと思っています。我々とともに病理学を学び、医学研究に興味のある方はいつでもご連絡をいただけたらと思います。

平成29年4月1日

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