日本大学医学部附属板橋病院 臨床研究センター

治験(製造販売後臨床試験)実施の流れ

2022年6月現在

●はじめに

日本大学医学部附属板橋病院において,治験や製造販売後臨床試験を実施する際の手順や手続きの流れを以下に記しました。試験の内容によって提出いただく書類や手続きが異なる場合がありますので,ご不明な点は臨床研究センターの事務局担当者(TEL:03-3972-8111 内線3007)にご確認ください。

【施設調査】
施設調査
当院の治験実施体制や責任医師の要件および対象疾患の患者数など施設調査を依頼いただく場合は,臨床研究センターの施設調査の窓口担当者までご連絡ください。
ホームページ内に「治験実施体制等に関する情報」を公開しておりますので,施設調査の際には併せてご利用ください。
治験の対象疾患に該当する患者数等を病名・検査値・使用薬剤等で検索できるシステムを構築しています。このシステムを活用して,治験依頼前に治験受託の可能性を調査することができますので,ご希望の治験依頼者の方は施設調査の窓口担当者にご連絡ください。
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【治験の依頼】
治験責任医師と面会
責任医師候補が内諾し,当院に治験を依頼いただくことが決定しましたら,「プレミーティング*」の日程を調整させていただきますので,事務局担当者にご連絡ください。
*プレミーティングとは:治験を適正かつ効率的に実施するために,事務局担当者,CRC(Clinical Research Coordinator),DM(Data Manager)および治験薬管理(補助)者等が治験薬や実施計画書に関して担当者の方のご説明をお聞きして,質疑応答や打ち合わせを行う面談のことです。詳細はプレミーティングの項目をご参照ください。
その後,治験協力者が治験責任医師と相談のうえ,当院の同意説明文書の作成を始めますので,実施計画書の概要・依頼者案の同意説明文書および補償の概要(被験者向け)をメールにて事務局担当者にご提供ください。
プレミーティングまでに臨床研究センターのスタッフが実施計画書等の内容を確認させていただきますので,可能な範囲で実施計画書等を事務局担当者にご送付ください。詳しくは 治験の申請手順 をご確認ください。
実施計画書の内容に応じて,臨床検査部や中央放射線部等の関連部署と打ち合わせが必要な場合は,プレミーティングの際に実務担当者と面会いただく調整を臨床研究センターの担当者が行いますので,事前にお申し出ください。
治験責任医師との面会とプレミーティングを同日に実施されたい場合は,日程調整を行いますので,事務局担当者にご相談ください。
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【治験実施のためのプレミーティング】
ヒアリング
治験を適正かつ効率的に実施するために,治験依頼者の方とご相談のうえ,プレミーティングを当院で実施させていただきます。なお,プレミーティングはWebミーティング,ご訪問のどちらでも実施可能ですので,ご希望を事務局担当者にお申し出ください。
プレミーティングの際に,担当CRCをご紹介させていただきます。
プレミーティングの内容は,治験依頼者の方による10〜15分程度の治験薬や実施計画書に関する説明と事前に記入していただく「新規治験概要」を使用した打ち合わせとなり,所要時間は1~2時間前後です。
申請に必要な書類や契約書および各種手順書等を事前に交付し,プレミーティングの際に申請手順や費用に関して事務局担当者がご説明させていただきます。
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【関連部署との打ち合わせ】
事務局担当者および担当CRCが,当該治験を実施するために薬剤部,臨床検査部,中央放射線部,外注検査会社,医事課,その他関連部署の担当者と調整や打ち合わせを行いますので,必要に応じてご相談させていただきます。
関連部署との打ち合せ
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【申請書類の作成・提出の準備】
申請書類の作成・提出の準備1
治験依頼者側で準備いただく申請書類は 治験の申請手順 をご参照ください。
以下の治験責任医師が作成すべき申請書類は,治験協力者が案を作成し,治験責任医師の確認および捺印を入手して,担当モニターの方に送付させていただきます。
  1. 治験分担医師・治験協力者リスト(新規)(書式2)
  2. 治験責任医師等の履歴書(書式1)
  3. 当院で使用する同意説明文書(補償制度の概要を含む)
申請書類の作成・提出の準備2
治験責任医師が確認を行う前の同意説明文書(案)等を担当モニターの方にメールにて送信いたしますので,治験依頼者側のご要望等がありましたらお申し出ください。
治験責任医師の捺印が必要な書類に関しましては,臨床研究センターにて捺印の入手のサポートを行いますので,事務局担当者にご相談ください。
新規申請に必要な書類は 治験の申請手順 でご確認のうえ,提出書類をご準備ください。
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【新規申請】
新規申請
新規申請書類の提出期限は, 治験審査委員会(IRB)日程で公開していますのでご参照ください。
新規申請書類の提出は郵送またはご訪問のどちらでも結構です。
事務局担当者が提出された新規申請書類の内容を確認したうえで,治験審査委員会での審査方法等をメールにてお知らせします。
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【治験審査委員会委員による書類審査】
提出された申請書類について,治験審査委員会委員が約1週間かけて書類審査を行います。
委員から提出された書類審査結果をもとに,事務局担当者が質問事項をまとめます。
委員から質問事項が出された治験に関して,治験責任医師および治験依頼者宛に文書で質問事項を提示させていただきます。
治験依頼者として,質問事項に対する回答書(案)を 書式見本を参考に作成ください。
事務局担当者が,質問事項と回答書(案)に対する治験責任医師の見解を確認します。
治験責任医師および治験依頼者は,提出期限までに回答書を提出します。
提出された回答書を治験審査委員会の開催1週間前に委員に配付します。
治験審査委員会委員は質問事項および回答書の内容を確認したうえで,委員会に出席します。
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【治験審査委員会】
治験審査委員会
治験審査委員会は,原則として毎月第4火曜日(8月を除く)午後3時30分から開催されます。委員会開催予定日が祝祭日にあたる場合は事前に開催日を決定して, 治験審査委員会(IRB)日程で公開します。
治験審査委員会には,治験責任医師(または治験分担医師)が出席して,治験薬や実施計画書に関して説明を行い,質疑に対応します。
治験依頼者の治験審査委員会への出席は原則として不要です。
治験審査委員会の審査結果が「修正のうえで承認」となった場合,治験依頼者または治験責任医師は 治験実施計画書等修正報告書(書式6) をご提出ください。
事務局担当者が答申書を作成し,病院長に提出します。
事務局担当者が治験審査委員会の「会議の記録の概要(案)」を作成しましたら,担当モニターの方にメールにて送信させていただきますので,内容をご確認ください。その後,臨床研究センターのホームページにて「会議の記録の概要」を公表します。
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【承認】
治験審査委員会が開催された週の執行部会にて(執行部会が休会の場合は次週),提出された答申書により委員会の結果を病院長が確認し,問題がなければ承認となります。
執行部会の開催日(金曜日)が治験審査結果通知書の発行日となり,翌週の月曜日には通知書が臨床研究センターに届きます。
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【契約締結】
執行部会の開催日が契約(および覚書)締結日となり,翌週には契約書等が臨床研究センターに届きます。
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【通知書や契約書などの発行】
治験審査結果通知書や契約書などは,執行部会開催日の翌週以降に郵送させていただきます。
契約締結日の翌週以降,準備が整い次第,治験を開始することができます。
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【治験薬の搬入】
治験薬の搬入
治験薬の搬入に関しては,治験薬管理補助者にご相談ください。
運送業者のみによる治験薬の搬入も可能です。
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【治験開始前説明会】 ※実施は必須ではありません。
治験開始前説明会
治験担当医師や臨床研究センター担当者および関連部署のスタッフを集めて,治験開始前の説明会を院内またはWebで開催いたします。
院内スタッフへの案内および司会進行はCRCが担当します。
治験開始前説明会において,治験依頼者側の方に治験薬や実施計画書に関するご説明をお願いしています。
治験開始前説明会の実施方法(Webまたは現地開催など)について,担当CRCが相談させていただきます。
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【治験の開始】
原則として治験開始前説明会の翌日から治験を開始できます。
治験開始前説明会以前であっても,治験の内容によっては,治験を開始できる場合がありますので担当CRCにご相談ください。
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【治験開始後の書類提出】
治験責任医師と面会
治験開始後に1.新たな安全性情報が出された場合,2.治験関連書類に変更が生じた場合,3.契約内容の一部に変更が生じた場合,担当モニターの方は以下の書類をご提出ください。
  1. 安全性情報等に関する報告書(書式16)
  2. 治験に関する変更申請書(書式10)
  3. 治験契約の一部変更に関する覚書(契約書式2)
治験開始後に治験責任医師が作成すべき以下の書類は,治験責任医師がCRCのサポートを得ながら作成し,事務局担当者に提出いたします。(のちほど写しを担当モニターの方に交付いたします。)
  1. 治験実施状況報告書(書式11)
  2. (重篤な)有害事象に関する報告書(書式12,13)
  3. 治験分担医師・治験協力者リスト(変更)(書式2)
  4. 治験に関する変更申請書(同意説明文書の変更)(書式10)
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【モニタリング】
直接閲覧以外のモニタリングは適宜ご実施ください。 モニタリング
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【原資料等の直接閲覧】
原資料等の直接閲覧
治験に関する原資料等の直接閲覧を実施される場合は,臨床研究センター担当者(カルテなどの原資料は担当CRC,治験に係る文書又は記録は事務局担当者,治験薬関連は治験薬管理補助者)にご連絡ください。
原資料等の直接閲覧の実施方法は「モニタリング・監査の実施に関する業務手順書」をご参照ください。
モニターの方が直接閲覧を行った場合「結果報告書」の提出は不要です。
監査の実施を希望される場合は,その旨を事務局担当者にお申し出ください。
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【症例登録の完了】
治験全体の目標症例数に達して,症例登録を完了した場合は,事務局担当者までご連絡ください。
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【症例報告書の作成】
症例報告書の作成
DM(およびCRC)が症例報告書の作成補助を行います。
治験責任医師が症例報告書の最終確認を行います。
提出した症例報告書に関して照会事項が生じた場合は,DM(およびCRC)にご連絡ください。
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【治験薬の回収】
治験薬の回収
治験としての観察がすべて終了して,被験者の方から治験薬の残薬等をすべて回収しましたら,治験薬管理補助者がご連絡いたしますので,治験薬の回収手続きをご実施ください。
治験薬回収の際に,治験薬管理表の写しを交付いたします。
治験薬回収時に温度管理記録を確認されたい場合や写しの発行を希望される場合は,治験薬管理補助者にお申し出ください。
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【治験終了報告書の提出】
治験としての観察がすべて終了しましたら,治験責任医師がCRCのサポートを得ながら,治験終了報告書を作成し,事務局担当者に提出いたします。
なお,治験終了報告書の提出時期はCRCよりモニターの方にご相談させていただきます。
提出された直近の治験審査委員会において,治験終了報告書の報告が行われます。
治験終了報告書を治験審査員会に報告した後,治験終了報告書(病院長の押印済)を治験依頼者に交付いたします。
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【原資料等の保存義務終了】
製造承認取得や開発中止などの理由により,医療機関における原資料等の保存義務終了日が確定しましたら 開発の中止等に関する報告書(書式18)をご送付ください。
原資料等の保存義務終了