主任教授

岩﨑 賢一(いわさき けんいち)

岩﨑 賢一

いわさき けんいち

日本大学医学部社会医学系衛生学分野教授

略 歴

学 歴

1983年:東京都立竹早高等学校卒業
日本大学医学部医学科入学

1989年:日本大学医学部医学科卒業

1991年:日本大学大学院医学研究科博士課程外科系麻酔科入学

1995年:日本大学大学院医学研究科博士課程外科系麻酔科卒業
医学博士の学位取得

職 歴

駿河台日本大学病院麻酔科研修医

日本大学医学部無給助手(衛生学)

日本大学助手(衛生学)

※米国テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターに研究員として海外出張

1999年:日本大学医学部専任講師(衛生学)

2003年:日本大学医学部助教授(社会医学講座衛生学部門)

2007年:日本大学医学部教授(社会医学系衛生学分野、分野主任)

所属学会

日本宇宙航空環境医学会(理事長、2021年~)、日本衛生学会 他

御挨拶(2021年5月)

2019年3月 Ben Levine先生と京都にて

2019年3月 Ben Levine先生と京都にて

NASAからの感謝状

NASAからの感謝状

1980年代前半は、スペースシャトルの飛行開始とともに宇宙開発がとても盛んになり、宇宙における人体の変化などを研究する宇宙医学への関心が高まりました。当時、日本において宇宙医学を専門の一つとして掲げる研究者や教室はほとんどありませんでしたが、日本大学医学部衛生学教室は谷島教授が宇宙医学の専門性を打ち出しました。私は将来宇宙医学を専門とすることを志し、日本大学医学部に1983年に入学致しました。学生の時より、衛生学教室に出入りし、日本大学板橋病院で行われた最初の日本人宇宙飛行士選抜の医学検査やその後の宇宙飛行用の医療材料の開発で谷島教授の手伝いを行いました。また、長期ベットレスト宇宙模擬実験の手伝いのため、夏休みには板橋病院に泊り込むなどしていました。卒業後、将来宇宙医学分野においてヒトを被験者とした研究を行っていくためには、相応の臨床経験をつむことが重要であると判断し、駿河台日本大学病院麻酔科に入局し研修しました。平成7年に博士の学位と麻酔専門医の資格を取得した後、宇宙航空環境医学研究に専念するため衛生学教室の助手になりました。そして、ヒト用遠心人工重力装置を用いた研究などに取り組みました。平成9年から11年までの間、アポロ時代からの宇宙医学研究者として有名なBlomqvist教授の率いる米国テキサス大学Southwestern Medical Center宇宙医学研究室にポスドク研究員として留学しました。この時、研究室の准教授だったIEEMディレクターのLevine先生の指導を受けながら、NASAのスペースシャトル医学研究ミッション(ニューロラボ、STS-90)に参加し、宇宙飛行士からのデータ取得や解析を分担させてもらい、論文発表もしました(J Physiol. 2007)。
最近は、これらの研究を継続発展させ、国際宇宙ステーション(ISS)利用プロジェクトとして実際の宇宙飛行での実験も行っています。実際の宇宙飛行での実験においては、主にNASAのジョンソン宇宙センターへ出張して、宇宙飛行士から長期の宇宙飛行(ISS滞在)前後で脳の血流を取得し、頭蓋内圧の変化を解析し、主要な結果を論文発表しています(J Physiol. 2021)。また宇宙飛行でのもう一つの実験では、ISSに滞在している宇宙飛行士自身に、脳血流速度波形、血圧波形、心電図を取得してもらっています。このプロジェクトでは、宇宙飛行士がISSのKIBOモジュール内で実験を行う際に、我々は筑波宇宙センターから遠隔通信してリアルタイムで支援をしています。このような宇宙医学研究は、将来の月火星探査に役立ち、地上での遠隔医療技術の発展にもつながるものと期待しながら、スタッフとともに研究を進めています。

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