
慢性腎臓病(CKD)は多岐の原因疾患から成り立ち、腎機能が低下して末期腎不全に至ると腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)が必要となります。 わが国の維持透析患者数は年々増加しており、2014年末において32万人を超え、平均年齢も67歳を超えています。また、原因疾患は、第1位 糖尿病性腎症、第2位 慢性糸球体腎炎、第3位 高血圧性腎硬化症であり、common diseaseと称される糖尿病と高血圧の管理が重要な課題となります。 私たちの研究室では、透析導入に至らないようにCKDを早期に診断して介入するとともに、CKDの進行を遅らせる治療を心掛けています。一方、腎代替療法を必要と判断した際には、質の高い療法選択を目指して、患者教育を行っています。 急激な腎機能低下を来す急性腎障害(AKI)は重症患者に発症しやすく、なかには持続的血液浄化が必要になることが少なくはありません。さらに、保存的療法で改善しない自己免疫疾患などに適応される血漿交換や吸着なども各専門領域科と連携して行っています。 私たちは、腎機能の低下でお困りの患者を積極的に受け入れ、血液浄化療法が必要とされる患者情報から病態を把握し原因究明することで、最新の医療を提供しています。