日本大学医学部 形成外科学系 形成外科学分野

形成外科とは

診療内容

イメージ形成外科は体表面全体を診療対象とする外科です。その診療内容は創傷外科、再建外科、先天異常、腫瘍外科、美容外科など広範囲に及びますが、体表面の先天的・後天的変形・異常を手術により機能的・整容的に修復することで、個人を社会に適応させQOL (quality of life)の向上を目指すことを理念に掲げています。

体表面の変形・欠損・醜状は時に精神的・心理的負担となります。精神科医がそのような精神的負担をカウンセリングや薬物で治療するのに対して、形成外科は手術により苦痛や悩みを解消するのでpsychological surgeryとも呼ばれています。

形成外科で診療している疾患

【創傷外科】
熱傷を含む外傷・新鮮創傷および慢性創傷を診療の対象とする外科です。創傷治癒に関する知識をバックボーンとして、治りにくい傷、他科手術後の創部合併症なども治療しています。
【再建外科】
外傷やがん切除後の組織欠損に対する再建外科は、マイクロサージャリーの手技を用いた遊離組織移植による再建手術を行っています。この領域は形成外科単独で行うよりも、他科との合同手術あるいは他施設への出張支援手術として行うことが多く、関連各科と密に連携して行っています。
【先天異常】
眼瞼、耳介、口唇・口蓋、手足、胸郭、臍など体表面のあらゆる生まれつきの異常を対象とする外科です。特に胸郭の先天異常である漏斗胸に対しては胸腔鏡補助下矯正術を積極的に行っています。本法は、胸骨翻転術と比較して低侵襲であり、また手術時間も短時間で可能です。現在、全国から患者が集まっており、わが国でも最多の症例数を取り扱っています。
【腫瘍外科】
全体表面の皮膚腫瘍・皮下腫瘍・軟部腫瘍を診療対象としています。悪性腫瘍の場合には皮膚科・整形外科と連携して診療にあたり、腫瘍切除後の組織欠損の再建を当科で行っています。
【美容医療】
当科ではキズとキズアト専門外来を設けて、様々な原因による体表面の変形・欠損・醜状の悩みにお答えしています。それらの中には保険適用とならない美容医療後遺障害なども含みます。いわゆる美容外科手術は行っていませんが、見た目でお悩みの場合にはご相談ください。また、美肌外来ではスキンケアによる若返り治療を実践しています。

当科の特徴・特色

  • 顔面外傷専門外来では、顔面骨骨折に対して当科オリジナルの低侵襲手術法で治療を行っています。超音波・内視鏡手術の導入、吸収性骨固定材料の使用により、体内に異物を残さず、従来の手術法と比較して短時間・低侵襲・低コストに手術を可能としました。ラグビーなどによるスポーツ外傷例も積極的に受け入れています。
  • 熱傷専門外来では、救命救急センターと連携して広範囲重症熱傷患者の救命から熱傷後遺症の治療による社会復帰までの総合的な熱傷治療を行っています。当科は東京都熱傷連絡協議会のコアメンバーであり東京都熱傷治療の中核施設として、培養表皮移植など最新の治療を積極的に行うことで広範囲重症熱傷の救命に寄与しています。
  • キズとキズアト専門外来では、ケガや手術などによる後遺障害の悩みに対応しています。なかなか治らないキズ、瘢痕拘縮(ひきつれ)やケロイドなどのキズアトのみならず、見た目が気になるキズアトの修正、美容外科手術後の後遺障害についてもご相談ください。
  • 褥瘡や難治性潰瘍などの慢性創傷の治療も積極的に行っています。特に、下肢虚血性難治性潰瘍の症例数は多く、現在血管外科と連携して診療に当たっています。当科のマイクロサージャリー技術も導入して救肢率の改善を図っています。

当科の診療体制

  • 形成一般外来は月曜日から土曜日の午前に診療を行っております。
  • 専門外来は熱傷(やけど)(火、木、金:午前)、顔面外傷(月~木:午前)、キズとキズアト外来(月、水:午前)、漏斗胸外来(1,3,5水:午前)、美肌外来(金、土:午前、不定期[予約制])、褥瘡専門外来(月:午前)、足外科外来(火、水:午前)、眼瞼下垂専門外来(水:午前)を行っています。

 

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