日大医学雑誌

乳頭異常分泌症における乳管内視鏡による診断と治療

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著者

櫻井 健一  榎本 克久  天野 定雄
日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門

はじめに

授乳期以外に乳頭から分泌物のでる異常乳頭分泌は,乳腺外来受診者の 5%程度を占める.原因としては内分泌機能の不均衡,下垂体腫瘍,薬剤の副作用,乳管内増殖性病変の存在などがあることが知られている.乳腺の異常乳頭分泌の分野も診断法の進歩により,非侵襲的かつ正確な診断がなされるようになってきている.とりわけ乳管内視鏡は乳管内にある病変に対して直接アプローチすることが可能であり,有用な検査方法である.本稿では乳頭異常分泌症の診断手順と乳管内視鏡の実際について解説し,症例を提示する.