総説

著者

蜂　　矢　　隆　　彦
日本大学医学部泌尿器科学講座

はじめに

過去本邦において前立腺癌は比較的少ない疾患であり， 年齢調整死亡率は主要 34 カ国中最も低率であった1).しかし近年では増加傾向にあり，前立腺癌による死亡増加率はメキシコに次いで世界第 2 位となった2)．現在前立腺癌は泌尿器科疾患の中で代表的な悪性腫瘍であり，診断と治療効果判定，再発評価において前立腺特異抗原(Prostate-specific antigen: PSA) の利用は不可欠である．本稿では PSA に関する基本的事項，PSA を利用した診断，PSA 関連因子，PSA によるモニタリングについて概説する．

keyword

Prostate-specific antigen, transrectal ultrasonography, radical prostatectomy
前立腺特異抗原 (PSA)，経直腸的超音波断層法，前立腺全摘除術