日本大学医学部 形成外科学系 形成外科学分野

対象疾患

手足の外傷

形成外科で治療を行っている手足の外傷(けが)は次のようなものがあります。

  1. 切り傷や皮膚欠損
  2. 腱の損傷(指の曲げ伸ばしができなくなる)、神経の損傷
  3. 指の骨折
  4. 指の切断

手首・足首の関節や腕の骨折は「整形外科」での治療が必要になります。

手や足の指にけがした場合

手や足のけがをした場合、出血している部分の傷口をハンカチなどでしっかりと押さえて止血し、病院に来て下さい。輪ゴムや紐などで指をしばると、指先の血行が悪くなったり、逆に出血が多くなったりすることがあるので避けて下さい。

指のけがの後に、指のしびれや指の曲げ伸ばしができなくなることがあります。この場合、指の神経や腱の損傷を合併している可能性があり、損傷の程度や部位によっては手術が必要となります。術後は一定期間の添え木による固定や安静が必要であり、その後のリハビリテーションなどを含めると、治療期間は長くなります。

手指、足指を切断した場合

指を切断した場合、切断部分をきれいな布(可能であれば湿った布、濡らし過ぎはダメ)で押さえてさらに包帯などで巻き、手を挙上して下さい。切断された指はきれいな布にくるみ、ビニール袋に入れ、密閉するように袋の口をよく結んで下さい。さらにその袋を氷水の入った容器に入れて、病院に持ってきて下さい。けっして切断された指を直接、氷水に入れたり、凍らせないで下さい。また、どんな小さな切断部分の破片でも持ってきて下さい。

手術は全身麻酔や局所麻酔下に、顕微鏡下で血管や神経を吻合して指の再接着手術(つなげる手術)を行います。手術後は安静のために10日から2週間程度の入院が必要となります。退院後は一定期間の安静(約1ヶ月)と、リハビリテーションが必要になります。指の変形や機能障害、しびれが残ることがあり、症状によっては修正の手術が必要となります。

切断された指の損傷の程度がひどい場合、指をつなげる手術を行っても、指の血流が改善せず壊死となり、指を失うこともあります(当科での指の生着率は約95%です)。指が壊死した場合は、断端形成術(指の先端を丸める手術)、皮膚移植術や足の指の移植などを選択して治療していきます。

左母指(おやゆび)の切断 flow 母指の再接着術後6ヶ月
左母指(おやゆび)の切断   母指の再接着術後6ヶ月
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