膀胱癌の症状と治療【日本大学医学部 泌尿器科】

膀胱癌

疫学

膀胱癌は男性に多く、年齢は70歳代がもっとも多いといわれています。 また、喫煙者に多く、特殊なものとしては、染料や化学物質を扱う職業性膀胱腫瘍があります。 これらはアニリン、ベンジン、ナフチルアミンなどの化学物質に慢性暴露によって発生します。

膀胱癌のタイプ

膀胱癌は2つのタイプに分類できます。
それらは表在性膀胱がん浸潤性膀胱がんです。

  1. 表在性膀胱がん
    表在性膀胱がんは内腔に乳頭状(カリフラワー様)に発育し、膀胱壁(筋層)へは浸潤しておりません。 膀胱がんの約70%がこのタイプで、生命に関るほどの重篤なものではありませんが、 再発を繰り返しやすいという特徴があります。
  2. 浸潤性膀胱がん
    一方、浸潤性膀胱癌は膀胱の壁に浸潤し、 進行が早く、早期にリンパ節や他臓器に転移を起こしやすく問題となります。 その他、特殊なものとして上皮内癌があります。これは腫瘍の形態をとらず、 CTなどの画像では同定できません。しかし、浸潤性癌へ移行しやすく浸潤性癌と同様に考えられます。

膀胱癌の症状

もっとも多くみられる症状は無症候性肉眼的血尿です。上皮内癌の場合は頻尿、排尿痛、 残尿感といった膀胱炎と同様な症状をきたします。尿管が膀胱につながっている部位に できた浸潤性癌では尿管を閉塞し、水腎症(腎臓が腫れた状態)をきたし、腎機能不全なども起こります。

膀胱癌の診断

膀胱癌が疑われた場合、膀胱鏡検査を行ない癌があるかどうかまず診断します。 この時点で表在性がんか浸潤性がんかある程度予測できます。

局所の広がりをみるために超音波検査CT検査MRI検査などを用いて診断します。

また、浸潤がんが疑われるとき胸腹部CT検査骨シンチグラフィなどで 遠隔転移の有無も検索を行ないます。確定診断は腫瘍の生検か、 尿道から内視鏡をいれて腫瘍を電気切除する方法(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-Bt) で得られた腫瘍を顕微鏡で調べ、がんの悪性度を診断します。

膀胱癌の治療

表在性がんの場合は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR−Bt)をおこないます。 当科では切除前の腫瘍の大きさ、数、切除した腫瘍の組織学的悪性度 (grade 1〜3に分類し悪性度が高いほど数値は大きくなります)をもとに

  1. 予後の良い低リスク癌(単発、3cm未満、grade 1)
  2. 中間型癌(低、高リスク以外で多発、3cm以上)
  3. 予後の悪い高リスク型癌(grade 3、多発ないしは頻回再発、上皮内がんの随伴)

3つのタイプに分類して術後の後療法をおこなっております。

  • 低リスク型はTUR−Bt後の後療法を必要としません。
  • 中間型癌はTUR−Bt後、化学療法剤の膀胱内注入をおこないます。
  • 高リスク型癌はTUR−Bt後、BCGの膀胱内注入をおこないます。

浸潤型膀胱癌は膀胱を摘出するとともに、男性では前立腺、精嚢、骨盤内リンパ節も 取り除く手術、さらに膀胱頚部や前立腺部にも癌がみられる場合は尿道も摘出します。

女性の場合は尿道、子宮、膣の一部も摘出します。

膀胱を全部摘出した場合は腎臓からつくられた尿を体外にだすか、 膀胱の代わりになる新しい袋を作らなければなりません。このような手術を尿路変向術といいます。

当科では膀胱頚部や前立腺部尿道に癌がなく、 さらに上皮内がんを併発してない場合は腸を使って、膀胱の代わりになる新しい袋を作ります。 これは自然排尿型代用膀胱ともいい、尿道から自分で排尿することができます。

尿道も摘出するような場合は腸の一部を切り取って、その腸に尿管をつないで、 腸をお腹に出す方法を行ないます。この術式を回腸導管といい、尿は絶えず流出するため 尿を貯める袋(パウチ)が必要になります。


日本大学医学部 泌尿器科学系泌尿器科学分野

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