診療科の話題

診療科トピックス 血液・膠原病内科

関節リウマチに対する生物学的製剤治療

関節リウマチは原因不明の進行性の慢性関節疾患です。障害は関節だけに留まらず,全身の多臓器にも及び,全人的なケアが必要な内科疾患です。 関節リウマチの治療は最近の5年間で見違えるほど進歩しました。早期発見し,なるべく早期に適切な治療を行うことによって寛解に導けることも稀ではなくなりました。

現在,関節リウマチの治療の骨組みになりつつあるのが生物学的製剤です。疾患の活動性に係る特定の活性物質を中和し阻害することによって,関節破壊を食い止めることが目的で,分子生物学的な手法で開発された薬剤です。

現在わが国では様々な生物学的製剤が使用中か,あるいは治験中であり,当科でもいち早くこれらの治療を患者さんへ提供しています。現在インフリキシマブ(商品名レミケード),エタネルセプト(商品名 エンブレル),アダリムマブ(商品名 ヒュミラ),トシリズマブ(商品名 アクテムラ)などといった薬剤を使用し,優れた臨床効果を確認しています。また最新の治療薬の治験にもいちはやく参加しており,それらの薬剤が実際に使用できる時期も目前に迫っています。

最近ではベーチェット病や乾癬性関節炎など,関節リウマチ以外のリウマチ,膠原病疾患に対しても適応が拡大し,治療効果の向上が期待されています。

膠原病の難治性病態に対する治療

全身性エリテマトーデスに合併するループス腎炎や,皮膚筋炎に合併する急速進行性の肺障害など膠原病に合併する難治性病態に対する治療にも積極的に対応しています。特に皮膚筋炎に合併する肺障害に対しては,当院呼吸器内科との連携のもと良好な治療成績をえています。

シェ―グレン症候群に対するトータルマネージメント

シェ―グレン症候群は口の渇き,ドライアイとともにさまざまな臓器障害を来す全身疾患です。また,悪性リンパ腫などの血液疾患や,最近話題の線維筋痛症など心療内科領域の疾患が合併することも良く知られています。当科では関係する診療グループと緊密な連携をとって,全人的な医療が実践できるよう心掛けています。当科はシェ―グレン症候群の全国的な患者団体である「シェ―グレンの会」の事務局となっており,日本におけるシェ―グレン症候群診療の牽引役となるべく努力しています。

白血病,リンパ腫,骨髄腫に対する抗癌剤治療

白血病,リンパ腫,骨髄腫などは造血器腫瘍と総称されます。これらに抗癌剤で治療することを化学療法といいます。当院では,造血器腫瘍に対する化学療法の経験が豊富です。白血病治療については日本全国の白血病治療を行っている病院の組織である「成人白血病研究グループ(JALSG)」,悪性リンパ腫ではリンパ腫治療専門病院の組織である「悪性リンパ腫治療研究会」のいずれも中核として活躍しています。従来は非常に治りにくかったフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病といわれる病気の治療経験数は日本で最も多い病院の1つです。骨髄腫も新規治療薬であるベルケイドやサリドマイドを他病院に先駆けて導入しています。

このような実績から患者さんは都内のみならず,埼玉県南部からも広く紹介されてきます。2009年度は白血病とその類縁疾患である骨髄異形成症候群60名,悪性リンパ腫69名の患者さんが入院されました。

造血細胞移植

化学療法のみでは治りにくい患者さんを対象に造血細胞移植(骨髄移植,末梢血幹細胞移植,臍帯血移植)を行っています。特に,悪性リンパ腫には自己末梢血幹細胞移植を早期に行い治癒を目指しています。この治療法で,従来は治りにくかった進行期B細胞性リンパ腫も約8割の患者さんが再発せずに元気にしています。

さらに昨年,無菌室,準無菌室を増やしましたので,移植を受ける患者さんが増えると思います。

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血液・膠原病科部長
武井 正美

診療科から

 

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