診療科の話題

診療科トピックス 形成外科

レーザー治療による美容医療・アンチエイジング治療について

平成28年2月から、板橋病院形成外科に最新のレーザー機器3種が導入され、あざ、シミ、いぼ、黒子、脱毛、小じわ、血管腫などの治療を始めます。
基本的に、保険診療外で自費診療になりますが、レーザー照射は、担当医師が責任をもって施行いたします。

レーザー機器

炭酸ガスレーザー
対象症例:いぼ,黒子など
Qスイッチルビーレーザー
対象症例:老人性色素斑(しみ),太田母斑,異所性蒙古斑,ベッカー母斑 外傷性色素沈着,入れ墨除去など
高出力ダイオードレーザー(レーザー照射時の痛みがほとんどありません)
対象症例:脱毛,小じわ,毛細血管拡張症など

レーザー専門外来担当医

河野太郎先生 日本大学医学部形成外科客員教授、東海大医学部形成外科准教授

日本レーザー医学会評議員・専門医,日本美容外科学会評議員

診察日:月1回 土曜日午前9:00-12:00
(診察日については,形成外科外来へお問い合わせください)
 

中田元子先生 日本大学医学部形成外科 非常勤講師

日本レーザー医学会専門医

診察日:第3月曜日午前9:00-12:00

その他,一般診療日でも診察および治療を行います。

眼瞼下垂症

眼瞼下垂症とは,上瞼(うわまぶた)が下がってきて,物が見えにくくなってくる状態のことをいいます。それには,生まれつきの先天性眼瞼下垂症と後天性の眼瞼下垂症があります。後天性の眼瞼下垂症のほとんどは,加齢性眼瞼下垂症といって,年齢をとるとともに上瞼の皮膚がたるんだり,上瞼をもち上げる筋肉が伸び切ったり,固定部がゆるんだりするのが原因です。頭痛・目の奥の痛み・肩こり・首筋の張りの原因ともなります。

治療

その原因によって,たるんだ皮膚を切除したり,ゆるんだ腱や筋肉をしっかり固定しなおしたりします。

麻酔と手術時間

手術は局所麻酔でおこないます。片方で約45分,両方で1時間半ほどです。

入院は?

片方だけの場合や,両方でも簡単な手術方法の場合は通院でも可能ですが,高齢者や抗凝固薬を服用している人では数日の入院をすすめます。保険が効きます。

経過

瞼の腫れの予防に術後数時間は冷却します。抜糸は1週間目にします。3〜4週間は瞼が腫れますので,淡い色サングラスをかけることをすすめます。傷痕や腫れが完全に落ち着くには4〜5ヶ月ほどかかります。

結果

見える範囲が広がり見えやすくなります。また,頭痛や肩こりがあった人では改善することがあります(当科の統計では,症状があった人のうち女性では88%,男性で83%の人で改善しています)。外見的には,ひたいの皺が目立たなくなったり,上瞼がのびていた人では短くなります。

合併症

血が止まり難い人や高齢者では,術後に皮下溢血で瞼が暗紫色になることがありますが,3週間ほどで消えます。ある期間,ドライ・アイという眼の乾きを訴える人がありますが,そのような人では慣れるまでは目薬をさします。その他,顔つきが若返った感じがしますが,眼つきが厳しく見える方もいます。また,ひたいの皺が目立たないぶん,瞼の内側や鼻根の小じわが目立ってくることがあります。

診療科から

形成外科外来にお電話で受診日をご相談下さい。診療時間は午前中のみです。治療が必要かどうか,また,どのような治療法が良いかは,実際に診察させて頂いた上で,決定致します。

シミ,ニキビ,くすみ,小じわに対するトレチノイン,ハイドロキノン療法

加齢によるしみ・くすみ・小じわや,ニキビによる肌のトラブルに対して主にトレチノインやハイドロキノンを用いた治療を行っています。

トレチノインとは?

ビタミンAの誘導体であり,皮膚の代謝を促す作用があります。メラニンを排出し,コラーゲンを増加させます。

ハイドロキノンとは?

メラニンの合成を阻害することで,美白効果をもたらします。

治療方法

患者さんの肌に合った濃度の「トレチノイン軟膏」を処方し,軟膏の付け方をご指導しますので,ご自分で1日1〜2回軟膏を塗って頂き,治療していきます。治療中でも化粧は可能です。

副作用

治療部位が赤くなり,皮膚がボロボロむけることがあります。

ビタミンAは,過剰に摂取すると催奇形性があるため,妊娠中は使用できません。

その他

トレチノインは比較的強い薬ですので,経過をみるため治療中は少なくとも2週間に1回の定期的な受診が必要です。

治療効果には個人差があります。

健康保険は効かず,自費診療となります。

診療科から

事前に形成外科外来にお電話で受診日をご相談ください。

顔のケガ,顔面骨骨折の治療

Photo

顔面は,交通事故や転倒/転落,スポーツや暴力など様々な原因によって,損傷を受ける機会が多く,受傷後の顔面の変形や傷跡(きずあと)による醜形は心理的に大きな苦痛となります。さらに,皮膚・軟部組織の損傷だけでなく,顔面の骨折を伴う場合は,変形に加えて,知覚障害(しびれ)や開口障害(口が開きにくい),咬合不全(かみ合わせが悪い),複視(ものが二重に見える)などの後遺症が残ることがあります。

1. 顔面皮膚軟部組織損傷(顔のケガ)

顔のケガの場合は表面の傷跡をいかに目立たなくさせるかということが重要ですが,神経や涙・唾液の通り道などの深い部分の損傷に対しても初めから適切な処置が施されなければなければ思わぬ後遺症を残すことになるので注意が必要です。当科ではどのような損傷に対しても適切に対応を行い,また術後のアフターケアも万全に行う体制をとっています。

2. 顔面骨骨折 (顔の骨折)

鼻骨骨折 (はなの骨が折れる)

鼻骨の骨折は顔面骨の骨折の中で最も多い骨折です。受傷してから2〜3週間以内の新鮮例であれば皮膚に傷をつけずに徒手整復が可能です。多くの場合には,外来での局所麻酔下整復が可能ですが,複雑な骨折や変形が著しい場合,小さいお子さんの場合には,入院して全身麻酔下に整復を行います。整復後は,鼻腔内に軟膏ガーゼを詰めて,外側はプラスチック樹脂製のガードで固定を行います。受傷から1ヶ月以上経過した陳旧例では骨を切って整復する必要があります。その場合も鼻腔内の切開から行い表面には傷をつけずに行います。ただし,入院による全身麻酔下での手術が必要です。

眼窩骨骨折(眼の周りの骨が折れる)

眼球は薄い眼窩骨により周囲の副鼻腔と境界されており,眼球に急激な衝撃が加わった場合に吹き抜けるように骨折を起こすことがあり,このような骨折は「眼窩吹き抜け骨折,ブロウアウト骨折」ともいわれています。眼窩吹き抜け骨折の症状としては眼球運動障害による複視(物が二重に見える),眼球陥凹(眼がへこむ),頬部の知覚障害(しびれ)などが挙げられます。治療は骨折部の整復が原則ですが,骨欠損が大きい場合には軟骨や骨の移植が必要となる場合もあります。手術前後の眼の動きや眼のへこみの評価は,眼科と協力して行っています。

頬骨骨折 (ほおの骨が折れる)

頬骨は頬(ほお)部に突出した骨で,ほおに加わった外力により骨折を来します。症状としては頬部の平坦化,眼球運動障害による複視(物が二重に見える),頬部の知覚障害(ほおやくちびるのしびれ),開口障害(口が開きにくい)などがみられます。治療は偏位した頬骨の整復と固定が原則で,眉毛外側,下眼瞼縁および必要に応じて口腔内に皮膚切開を加えて骨折部を露出し,直視下に整復して金属プレートで固定するのが一般的です。

多発顔面骨骨折 (顔の複雑骨折)

顔貌の正確な復元はもちろん,咬合(かみ合わせ)の復元も大切です。また,術後の呼吸管理など集中治療が必要となる場合もあります。当科では術前に3次元CT検査による画像シミュレーションなどで検討を行った上で手術を行っています。また,咬合調整,歯科矯正などが必要となる場合は,歯科口腔外科と共同で治療に望みます。また,頭蓋骨に及ぶ骨折がある場合には,脳神経外科とも協力して治療を行います。

診療科から

顔面外傷は,随時治療をお受けしていますので,事前にお電話でご連絡ください。

骨折等が疑われる場合には,レントゲンやCT検査が必要になります。事前に形成外科外来にお電話で受診日をご相談ください。

難治性皮膚潰瘍(治りにくい創)に対する複合治療法

正常ならば皮膚にできた創(きず)が治るものが,感染,血管障害,知覚障害といった異常な要因があるために,治り難い潰瘍状態になったものが「難治性皮膚潰瘍」です。その原因には,外傷,糖尿病,放射線照射,動脈硬化症や静脈うっ滞といった末梢血管病変,膠原病(リウマチなど)などがあります。また,時として皮膚癌を認める場合がありますので注意が必要です。さらに潰瘍などの創が治るのに悪影響を与える因子としては低栄養,感染,ステロイドや免疫抑制剤の服用,機械的刺激などがあげられます。好発部位は下腿や足で,それは皮膚や皮下脂肪に余裕がなく起立,歩行によりうっ血をきたしやすいからです。また,血行が他の部位と比べて不良であるため,いったん潰瘍が生じると難治性になりやすいことも好発部位となる理由の一つです。

治療

まず潰瘍の原因や治癒を妨げる因子を見つけて除去することにあります。また併行して,潰瘍の局所治療(保存的軟膏治療)を行うことも大切です。保存的治療でも治癒しない場合は外科的治療が必要になります。

1. 保存的治療

(1)軟膏治療

創の状態を見ながら,(1)壊死組織(血行が悪く死んだ組織)の除去 (2)感染(化膿)のコントロール (3)肉芽形成(肉が盛り上がる),(4)上皮化(皮膚が生えて創が閉じる)の時期により適切な軟膏療法を行います。

(2)多血小板血漿(PRP)を用いた潰瘍治療

最近,当科では,患者さんご自身の血液から,創を治す因子を多く含む血小板を濃縮した血漿を分離して,その血漿(多血小板血漿)を創に塗る治療をおこない効果を上げています。自分の血液から抽出したものを使用するので,副作用はありません。軟膏治療が効きにくい患者さんに用いています。

(3)陰圧吸引閉鎖(VAC)療法

潰瘍創が深い場合でもすぐに手術ができない時には,創を小さくする目的で,潰瘍部に吸引ポンプに接続されたチューブとスポンジ状の被覆材(特殊なガーゼ)を取り付け,フィルムで密閉する治療を行うことがあります。この治療は,創からの出る余分な液を陰圧吸引しながら取り除き,創を早く小さくする方法です。吸引により創に肉が盛り上がって浅くなり面積も小さくなるので,その後は軟膏治療で治るか,手術が必要な場合でも小さな手術で済むことが期待できます。ただし,治療には入院が必要で,陰圧吸引装置を付けている間は行動が制限されることが欠点です。

2. 外科的治療(手術)

潰瘍が深い場合や大きい場合など保存的治療で治らない場合には,手術(皮膚移植術)が必要になります。潰瘍によっては腱や骨が露出している場合がありますがそのような場合には皮弁移植といって脂肪や筋肉を付けて血行が良好な皮膚移動する手術が必要となります。

難治性潰瘍では治った後の管理も大切です

糖尿病性潰瘍や全身疾患を伴う潰瘍は再発しやすいので,小さな創ができていないか,毎日治った部位をよく観察する必要があります。さらに保湿や刺激からの保護に配慮することは重要です。特に下腿の場合,長時間の立ち仕事を避けることや,足を挙上してうっ滞を避けるなど日常の生活も改善することが必要です。いずれにしても,治癒しない創や潰瘍ができた場合,できるだけ早く診察を受けることが望ましいでしょう。

診療科から

事前に形成外科外来にお電話で受診日をご相談ください。

胸郭変形(漏斗胸・鳩胸)

漏斗胸とは、胸の中央部のみぞおちあたりを中心として凹んでいる変形のことで、日本では約1000人に1人に生じると言われており、生まれつきわかる場合と、成長とともに目立ってくる場合とがあります。胸が凹んでいると、肺活量が少ない、心臓から送り出される血液量が少ない等の機能的な障害も認められ、また、見た目にも気になるようになり、精神的に内向的になってしまうこともあり、外科的治療が必要となります。逆に胸が突出してしまう変形として鳩胸変形があり、これも治療が必要となります。

治療

写真:漏斗胸術前後

従来は、胸を大きく切開して凹んだ胸郭を修正するため、手術後に長い傷跡を残す手術方法でした。これに対し、1999年より、アメリカで前胸部に傷を付けない手術が登場しました。陥没している部分の、肋骨も肋軟骨も胸骨も切ることなく、正面からは見えない脇の小さな傷から金属製の装具を入れることにより矯正し、3年後にその金属を抜く手術方法です。

また、程度の軽い患者さん、手術が怖い患者さん、手術の年齢に達してない患者さんに対しては、手術をせずに表面から簡単な装具を日常的に使うことで治療する方法(吸引療法)もあります。

麻酔と手術期間、入院

手術は全身麻酔で行います。手術時間は程度によりますが1時間半ほど、入院期間は約2週間必要です。手術して3ヶ月は原則として運動は禁止です。3ヶ月してからは格闘技などを除けば原則として運動制限はありません。

診療科から

写真:形成外科研究所准教授 菊池雄二
形成外科研究所准教授
菊池雄二

写真:形成外科部長 仲沢弘明
形成外科部長
仲沢弘明

事前に形成外科外来にお電話で受診日をご相談ください。

ページトップ