日本大学医学部附属板橋病院は厚生労働省から特定機能病院として認定された医療機関です。
この特定機能病院とは高度の医療を提供するとともに高度な医療に関する研究・開発および医療研修などを行う機能を有する医療機関を対象とし,現在全国に81の医療機関が認定されています。特定機能病院はさらに救命救急に関する機能ならびに医療安全に関する組織・活動などに関する厳しい基準を満たす必要があります。
20世紀後半は科学の発展が特徴のひとつとして挙げられます。医学も19世紀末から20世紀の初め頃までに細菌学の基礎がコッホらにより確立しましたが,感染症との闘いは遅々としたものでした。
1945年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフレミングが1928年にアオカビからペニシリンを発見したことにより,抗生物質の発明はその後急速に発展し,人類は感染症をおこす微生物を打ち負かすことができるような思いをもちましたが,耐性菌の出現やウイルスの存在によりまさに盾と矛の関係になっています。同様に,様々な薬物,手術方法の開発によりクオリティオブライフ(QOL)の向上が図られるようになりましたが,医学,科学技術の発展の一方で,その副作用,不具合がみられてきています。
すなわち,20世紀間では科学の進歩が脚光を浴びてきましたが,21世紀はこうした科学・医学の負の部分をどのように減らしていくかに同時に目が向けられる時代となりました。こうした時代の流れを病院でみてみますと,病院はその最新の知識を活用して病苦を減らすことに努めることで使命を果たしてきましたが,現在はこうした治療のみではなく,治療に伴う負の部分をいかに減少させるかということが求められています。具体的に言えば,胃がんの撲滅に病変部を切除し,必要に応じて薬物を併用し,その効果をあげてきました。しかし,こうした治療において輸血を必要とし,場合により肝炎などの問題が起きたりもしました。また,抗癌薬も効果があるが食思不振その他の副作用が生じる場合もありました。
そこで,輸血を極力必要としない手術方法の開発,安全な輸血方法の開発がなされ,現在は手術後のQOLが格段に向上しました。こうした結果は医療機関,医学のみの努力で可能になったわけではなく患者さまおよび,ご家族の協力なくしては達成できませんでした。
当病院では最新の医療を実践するべく努力をするいっぽうで,医療の基本である個々の患者さまのお一人お一人に即した治療の実践を考えております。具体的には医療関係者は日々の研鑽を重ね,最も適切と考えられる治療内容について充分に患者さまにご説明を行い治療にあたることです。その一方で患者さまおよびご家族に様々なご協力をいただき,協同してより良い療養環境を整備することです。
例えば,個人情報を大切にする一方で,お名前の確認をさせていただくことから,転倒などの問題などを防ぐこと,また,疾病の予防,薬剤の副作用を減らすために他の医療機関との連携(病診連携)を緊密にすることなどが挙げられます。さらに当病院では疾病因子,薬物の効果・副作用の研究を遺伝子レベルで解明する国のプロジェクト(オーダーメイド医療の研究)を担っており次世代のために皆様方のご協力を御願い致しております。
良い医療は当病院の基本理念に基づいて職員すべての真摯かつ弛まぬ努力が根幹をなすものではありますが,患者さまとそのご家族のご協力,および地域医療,病診連携との充実無くしてはなし遂げられないことをあらためて申し上げ,ご挨拶とさせていただきます。















