先進医療とは,厚生労働大臣が指定した高度な医療技術のことです。先進医療は患者さまの希望・同意があって,医師がその必要性を認めた場合に実施されます。現時点では保険の適用外となり,全額患者さまの自己負担となりますが,先進医療以外の通常の保険診療との併用も可能です。
板橋病院では以下の先進医療を実施しています。
前眼部三次元画像解析
アベリノ角膜ジストロフィの前眼部写真(上段)と,前眼部三次元画像解析の結果(下段)
適応疾患
角膜ジストロフィー、角膜白斑、角膜変性、水疱性角膜症、角膜不正乱視、円錐角膜、角膜移植術前後に係るもの、屈折矯正手術前後に係るもの、その他、虹彩異常、水晶体疾患、緑内障など
検査の概要
本検査は、光の干渉作用を利用して眼球組織の断面像を非侵襲かつ非接触で得ることができ、角膜、隅角、虹彩などの病変及び前眼部の光学的特性を3次元かつ数値的に解析できる眼球検査法です。当院では、米国Optovue社製のフーリエドメインOCT (optical coherence tomography:光干渉断層計) RTVue-100を用いて、この検査を実施します。
この技術導入により、前眼部の断面像および画像解析法による3次元画像と数値的情報が非侵襲的に得られ、病態のより深い理解や疾病の診断精度の向上が期待されます。従来の装置では観察困難であった、角膜混濁部を含む角膜断面像の観察、また角膜と虹彩とで構成される前房隅角部の状態を観察することができます。こうした前眼部組織の断面の微細構造を観察、記録することで角膜病変、緑内障の病態を明らかにすることができ、術式の選択などより適切な治療方針を立てることができます。
具体的な例を挙げると、表層角膜移植を予定していても、極端に角膜厚が薄い部位が存在すると、手術中に予期せぬ穿孔がその菲薄部位で生じ、全層角膜移植に移行することを余儀なくされる可能性があります。この検査の導入によって角膜厚分布を3次元的に把握することによって、角膜の透明性が不良であっても菲薄化部位を検出することが可能となり、術中の合併症を未然に防止することが可能です。また、全層角膜移植においては、虹彩が角膜の裏面に癒着を生じている場合、その部位でそのまま全層で病的角膜を切除すると、虹彩の損傷、出血などの合併症が生じる可能性があります。その際に本技術を導入することによって、切除前に虹彩前癒着を解離することによって、術中合併症を未然に回避することができます。同様に角膜混濁によって隅角や虹彩前癒着の評価が困難な症例に緑内障手術を施行する際に、合併症のリスクが少ない手術部位を決定し、より安全性の高い術式を選択することが可能となります。
このように本技術によって、従来の保険で承認された技術のみによる診断、治療に比べ、診断の精度を向上させ、手術適応の時期、術式の選択、切開部位の選択、切開範囲の選択などをより適切に決定することができます。このことにより、手術による侵襲を軽減し、術中術後の合併症を軽減、あるいは未然に予防することに加え、より良好な視機能を獲得することが可能となり、治療の質の向上が期待されます。
先進医療に係る費用
1回につき4,000円
円錐角膜の前眼部三次元画像解析結果
混濁・菲薄化した角膜の前眼部三次元画像解析結果
表層角膜移植後の前眼部三次元画像解析による角膜厚マップ
前眼部三次元画像解析による隅角所見(周辺虹彩前癒着)
大腸腫瘍に対する内視鏡的大腸粘膜下層剥離術
(Endoscopic submucosal dissection; ESD)
適応疾患
早期大腸がん(内視鏡的粘膜切除術(EMR)では一括切除が困難な2cm以上の病変であって、拡大内視鏡診断または超音波内視鏡診断による十分な術前評価の結果、根治性が期待できるものに限る。)または腺腫(EMRを実施した際の病変の挙上が不良なものまたはEMRを実施した後に遺残若しくは再発したものであって、EMRでは切除が困難な1cm以上の病変のものに限る。)
治療の概要
従来から行われている内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection; EMR)は、広く普及しているが、スネアーを使用して切除するためその大きさを上回るような2cm以上の病変の一括切除は、困難でした。従って、内視鏡的分割切除になった場合、病理組織学的検査が不十分なものとなり、治癒の判定(完全切除)が不確実になりやすく、また、結果的に遺残や再発を起こす場合もあります。
本方法(ESD)は、病変部粘膜下層への局注液注入による粘膜下膨隆を形成後、高周波メスで直接病変周囲粘膜の切開および粘膜下層の剥離操作で病変を切除していく方法であり、腫瘍径にかかわらず一括切除することが可能である。従来のEMRと比較し根治性が高く、かつ詳細な病理診断が可能であり、明確な治療方針が患者に提示できる優れた手技である。EMR同様、無鎮静にても施行可能である。内視鏡治療としての病変の大きさの制限が解消されるため、外科的手術と比較しても、患者の肉体的・精神的負担の軽減と在院日数の大幅な短縮、医療費の軽減に繋がります。
先進医療に係る費用
162,000円




眼科のページへ
リンク集