受験大学の選択

 諸外国の公衆衛生大学院の実態を調べていくうちに、ぜひとも本場の教育に触れたいという気持ちが年々膨らんできた。それでは具体的にどこがよいか。公衆衛生のふるさとともいうべきイギリスか、はたまた公衆衛生教育の発展しているアメリカか。いずれにしろ、自分の語学能力から英語圏がもっとも適切だろうと考えた。イギリスならば最も歴史があり整っているロンドン大学が第一候補となった。オックスフォードは研究を通じて知り合いもでき、健康科学研究所(Institute of Health Sciences)で公衆衛生学の研究をしているが、MPHの課程がない。ケンブリッジには公衆衛生学研究所(Institute of Public Health)があり、現在勤務している日本大学が提携してカレッジの寮もあるが、やはりMPHの課程はない。研究のために留学するのならよいが、MPHを目的にするなら不適切である。ちなみにオックスフォードの教授連によれば医学分野ではむしろエバンバラ大学やロンドン大学のほうがオックスブリッジより上位であるとのことである。この点は何でも東大という日本だけが特殊で、イギリスでもアメリカでも分野により得手不得手がありランキングは異なる。そこでイギリスならばロンドン大学をまず考えた。TOEFLのスコアも受け付けて、600点以上が条件となる。しかし、公衆衛生の修士(ここではMPHではなくMSc in Public Health)の在学年限は2年間である。一方、アメリカは1年間で済み、ハーバードは実質9ヶ月、ジョンズ・ホプキンスは11ヶ月である。いずれの国でも博士課程は4年以上必要で、退職せずに休職でそれほど長く滞在できないので実現は不可能である。そこでアメリカのMPH課程をまず視野に準備することにした。アメリカには40を越す公衆衛生大学院があるが、ジヨンズ・ホプキンス、ハーバード、コロンビアがベスト3である。エールやUCLAにもMPH課程はあるがずっと下位である。そこでジョンズ・ホプキンスかハーバードを目指すことにしたが、ジョンズ・ホプキンスはハーバードより期間が長く学費もずっと高い。外国人学生もハーバードのほうが多い。そこでこの時点では第一選択をハーバードとした。ただしTOEFLの条件は、ハーバードは580点以上、600点が望ましいとされ、ジヨンズ・ホプキンスは550点以上である。まずはこれをクリアすることが必要である。また、GREも条件にある。そこでまずTOEFLが基準に達するように英語力を身につけてからGREに挑戦する計画とし、TOEFLを受験することとした。1998年の春より数回受験し翌年には550点を突破するまでになった。

© Satoru HARANO, MD,PhD,MPH
Update: 14/Nov./01