血小板製剤の適正使用基準

 
 血小板輸血は血小板減少時や血小板機能異常による出血、あるいは血小板減少が予測される場合などの治療および予防対策として行われます。しかしながら、血小板の寿命は7〜10日と短く、日赤では予約注文が原則であるため、その使用に当たっては十分な考慮が必要です。漫然と血小板数の増加目的での使用は認められません。予約納入後の返却は不可で使用しなかった場合は病院の負担になります。以下の基準に沿い適切に使用して下さるようお願い致します。
 
I.使用基準の原則:
 1.活動性出血
 
重篤な活動性出血を認める場合、5万/μl以上を維持する。
 
 2.外科手術の術前状態
 
   1)骨髄穿刺・抜歯などは、1万〜2万/μl以上
 
       2)待機的手術患者などは、5万/μl以上
 
     3)頭蓋内手術などは、7万〜10万/μl以上
 
 3.血液疾患
 
   1)造血器腫瘍は、1万〜2万/μl以上
 
2)再生不良性貧血・骨髄異型成症候群は、5千〜1万/μl以上
 
3)特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病や溶血性尿毒症症候群では通常適応なし
  
4)血小板機能異常症では、重篤な出血症状ないし止血困難な場合適応あり
 
    5)ヘパリン起因性血小板減少症では禁忌!
 
  4.固形腫瘍
 
固形腫瘍の化学療法では、2万/μl未満で出血傾向が認められるとき
 
  5.造血幹細胞移植
 
    骨髄移植などで骨髄機能が回復するまで、1万〜2万/μl以上を維持
 
 
U.適正使用量の設定:
 1.投与単位数の設定
 
  予測血小板増加量(/μl)= 輸血血小板総数 / 循環血液量(ml)×103× 2/3
 
 (例)体重60Kgの患者、血小板2万で出血症状を認め5万に上昇させたい場合: 循環血液量は70ml/kgとする。
 
   輸血血小板数=(50000−20000)(μl)x 60(kg) x 70(ml) x 3/2 = 18.9 x 1010       

  1単位には約2xl010の血小板が合まれています。従って、注文単位数は10単位となります。

 2.オーダー単位数の原則

現在、血小板製剤の殆どはsingle donorから献血され、5、10、15および20単位製剤が供給されます。10単位製剤のオーダーを基本にして下さい。患者体重や目標血小板数が高めの場合、血小板輸注効果に影響を及ぼす要因がある場合に15、20単位製剤を指定して下さい。

 
V.オーダー時の注意点:
 1.血小板数を確認する。
   出血症状が血小板減少や機能に起因する事を確認する。
   他の要因がある場合はその要因を対処する。
 2.手術時は手術様式から目標血小板数を設定する。
 3.抗血小板抗体陽性など血小板輸注効果が不良の時は
         HLA適合血小板輸血の適応となる可能性があるので輸血室に連絡する。
 4.上記基準に則さないオーダーに関しては主治医に連絡させて頂きます。