教育の方針、体制


心臓外科、呼吸器外科、一般外科(血管外科を含む)を6年間ローテイトして、幅広い知識、技術を磨くとともに人格を磨く。ま

た、学会発表を通して、疾患を深くほりさげ次の症例に生かす訓練を行う。専門分野に固定した後は研修医の指導をするととも

に、蓄積されたデーターから、疾患を分析検討する臨床研究、あるいは動物実験を行う。

応募資格

平成12年度医学部卒業見込みの者

研修期間

2年(3年目以降も医局在籍可)

研修内容

心臓外科班、呼吸器外科班、一般外科班に別れ診療を行っている。尚、2年間は厚生省卒後初期臨床研究に従ったカリキュラムが

組まれている。

1年目は一般外科班に所属し、消化器外科、血管外科、乳腺外科を中心に手術介助、術前、術後管理を主治医の一員として行う。

また、入局3カ月頃から、虫垂炎、鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤の手術を執刀する。

2年目は胸部外科、麻酔科、救急救命センター、選択コースをそれぞれ3カ月づつローテイトし、2年間の研修を終了する。

3年目以降は3つの診療班のローテイション,関連病院出張を行い、臨床の修練を積むとともに、博士号取得にむけた論文の作成を

行う。なお、この年、大学院を受験でき、例年は循環器外科学(定員2名)を受験している。

現在の診療・研究活動の概要と目標

当教室の特徴として、循環器、呼吸器と幅広く研究活動が行われている。循環器の分野では重症心不全症例に対する、補助循環

の研究が、豚心不全モデルを用いて脈々と続けられ、将来の完全置換型人工心臓の臨床応用をも目標においている。また、急性

動脈閉塞症血行再建後再潅流障害をサイトカイン、接着因子の観点から病態分析、治療法の確立を目標にしている。

研究内容

[基礎的研究]

1、両心バイパスが脳循環に与える影響

  心原性ショック時、自己心での全身循環維持が困難な場合、完全拍動流人工循環、完全無拍動流人工循環が脳の微小循環に

  いかに働くかをSjo2,白質、灰白質組織血流量、頭蓋内圧を測定し、比較検討した。

2、心原生ショック後の無拍動流循環における左右の至適流量バランスの検討

  豚を用いて心原生ショックモデルを作製した。その後完全無拍動流下で両心補助を行い、左心右心の流量バランスを変えて

  駆動を行い、肺の血管外水分量、血液ガス、肺の組織を比較検討し、最も肺循環に良い流量比の検討を行っている。

3、右心補助循環に関する研究

  ブタを実験モデルとし、心原性ショックモデル作成後、両心バイパスで循環補助を行い、定常流と拍動流を比較検討してい

  る。特に、拍動流における脈圧が、肺循環にどのような影響があるかを解明すべく研究を行っている。

4、完全型人工心臓が腎循環、組織代謝に与える影響に関する実験的検討 

  ブタを実験モデルとし、心原性ショックモデル作成後、両心バイパスで循環補助を行い、定常流群と拍動流群に分け、腎動

  脈血流量、腎皮質、髄質組織血量を測定し、腎循環への影響を検討している。

5、心筋保護に関する研究

  人工心肺を用いた際、冠動脈を一時的に閉塞させ、心筋を一時的に虚血状態させる事により心筋保護が得られる。そこで常

  温下での同療法と、低体温療法を併用した際との同法の影響についてブタ心原性ショクモデルを用いた実験で検討を行って

  いる。

6、急性動脈閉塞症の再潅流障害におけるICAM-1,IL-8の関与に対する実験的検討

  ラット急性動脈閉塞モデルを作製し、再潅流時好中球の組織障害に際して、接着因子、炎症性サイトカインの関与を明かに

  した。

7、下肢急性動脈閉塞症の再潅流障害における白血球の関与

  急性動脈閉塞症の再潅流時の細胞障害に白血球が関与することに着目し、イヌ急性動脈閉塞症再潅流障害モデルを作製し、

  白血球除去フィルター使用群と白血球活性化物質であるLeukotrien B4の拮抗物質投与群における再潅流時白血球の関与を

  実験的に検討を行っている。

8、急性動脈閉塞症の再潅流障害でのCPK,IL-8,IL-10の関与に対する実験的検討

  ラット急性動脈閉塞モデルを用い再潅流時の経時的なCPK,IL-8,IL-10の推移を比較して、炎症性および炎症抑制 サイトカ

  インのレベルでの急性動脈閉塞症再潅流の病態を検討を行っている。

9、急性動脈閉塞症の再潅流障害における抗ICAM-1抗体の再潅流障害抑制 効果の検討

  ラット急性動脈閉塞モデルを作製し、再潅流時好中球の組織障害に際して、接着因子(ICAM-1ICAM-1)が重要な働きをす

  る事に注目し、研究を重ねて来た。今回、抗ICAM-1抗体を用い、再灌流障害の抑制 が可能か検討中である。

[臨床研究]

1、 冠動脈バイパス術の長期遠隔成績の検討

2 、ATS弁の超音波ドプラ法による術後弁機能評価ーSJM弁との比較ー

3 、3次元超音波法を用いた、人工弁術後評価に関する研究

4 、経食道エコー法を用いた術中、術後の心機能評価に関する研究

5 、虚血性心疾患を合併した閉塞性動脈硬化症、腹部大動脈瘤症例の治療法の選択と   長期4遠隔期成績の検討

6 、体外循環使用症例におけるαhANPの有効性の検討

7、 冠動脈バイパス術後の左内胸動脈血流量の評価ードップラーエコーによる評価ー

8 、拍動流体外循環の有効性

9 、ATS人工弁の溶血に関する検討

10 、ATS人工弁閉鎖音の周波数解析

11 、開心術後におけるミルリノンの効果に関する検討

12、 閉塞性動脈硬化症、腹部大動脈瘤症例の頚動脈病変の検討

[得意とする診療技術]

心臓外科分野では重症心不全症例に対して左心補助を行い救命率の向上に努めている。

血管外科分野ではLASER,アテレクトミー、バルーン、ステントを組み合わせた血管内治療を行っている。

呼吸器外科は早くから早期よりビデオアシスト下の手術を導入し、生検、気胸手術が日常的に行っている。LASER,ステントを用

いた気管形成術も確立された治療として行われている。