日本大学医学部

応用システム神経科学分野

応用システム神経科学分野

応用システム神経科学分野ホームページ

●教室紹介

先端医学講座では、いずれの部門においても、基礎医学ならびに臨床医学のどちらかを背景とする研究者が協力して、臨床現場に根ざした問題意識を重視した統合プロジェクトを構築しています。応用システム神経科学分野にも神経解剖学や神経生理学などの基礎研究者に加えて、臨床医学の研究者が多数参加しています。専任教員は山本隆充教授、深谷 親准教授、山下晶子専任講師、勝山成美助手の4名ですが、応用システム神経科学分野で行われている文部科学省私立大学高度化推進事業の産学連携研究「光工学技術と体内埋設型刺激デバイスを用いた脳機能異常の分析と制御」では、片山容一教授(神経外科学分野)、酒谷 薫教授(光量子脳工学分野)を始めとして、神経内科学分野、精神神経学分野、整形外科学分野、生体構造医学分野などの多くの研究者が参加して共同研究を行ってきました。また、秦羅雅登教授(大学院総合科学研究科)を中心に、文部科学省私立大学高度化推進事業学術フロンテイア研究「認知・記憶・行動の脳内メカニズム」を行い、多くの成果を挙げてきました。
このようなシステムと人員の配置のもとで統合プロジェクトを構築することが可能な部門であり、これまでにない研究成果を挙げるとともに、日本大学医学部の神経科学分野での教育にも全力で取り組んでいます。

●教育について

 学生教育では医用工学、神経科学、基礎医学実習、PBLチュートリアル、選択コースなどによって、神経科学の教育を担当している。また、卒後教育としては、文部科学省科学研究費、文部科学省私立大学高度化推進事業、厚生労働省科学研究費などの数多くの公的研究費を獲得し、応用システム神経科学分野の専任教員ならびに兼任教員が多くの大学院生と若手研究者の研究を指導し、多くの成果を挙げている。
以下は最近4年間に学位を取得した学位論文のテーマ。

  • 1)若年発症性パーキンソン病に対する視床下核刺激療法の効果
  • 2)パーキンソン病に対する視床下核刺激術中のブレインシフトについての検討
  • 3)大脳皮質運動野の慢性刺激と脳内各部におけるc-fos 発現の経時的変化
  • 4)定位脳手術中のニューロン活動記録による視床下核の同定法
  • 5)PETによるパーキンソン病に対する視床下核刺激の効果についての検討
  • 6)大脳皮質頭頂連合野から一次運動野への多シナプス投射様式
  • 7)f-MRIによる顔刺激を用いた写真と絵画に認知に関する検討
  • 8)各種振戦における 視床内tremor cellの記録と分析

●研究について

  • 1.術中神経機能のモニタリング:各種誘発電位を用いた術中神経機能のモニタリングの中でも、運動誘発電位についての検討。大脳皮質運動野を直接に刺激して脊髄硬膜外から記録を行うcortico-spinal motor evoked potentialと、皮質下を刺激するsubcortico-spinal MEPの意義と臨床応用。
  • 2.光学的生体計測法の研究: 非侵襲的に血流や代謝変化が測定できる新しい技術であり、近赤外分光法を脳機能イメージングに応用し、脳神経活動時の脳酸素代謝変化を経時的にモニタリングすることが可能である。
  • 3.脳機能制御の研究: 神経外科学分野と共同で定位脳手術法の開発と改良に継続的に取り組み、常に最先端の手術システムを確立する。1)幻肢痛などの末梢神経に損傷を有する求心路遮断痛に対する視床知覚中継核刺激、2)遷延性意識障害に対する視床正中中心核刺激、3)パーキンソン病に対する視床下核刺激、4)ジストニアに対する淡蒼球内節刺激、5)本態性振戦・脳卒中後振戦に対する視床 (Vim/VL核) 刺激を行い、術中のニューロン活動記録、刺激による神経症状の変化、光学的計測、PET・SPECTを用いた脳代謝の変化を検討し、これらの疾患の病態ならびに効果の発現機序を明確にする。
  • 4.神経機能再生の研究: 大脳皮質運動領刺激は中枢性疼痛の治療を目的として、本学で開発された方法である。最近は不随意運動の治療としても臨床応用されているが、実験的な脳虚血後に大脳皮質運動領の刺激を継続すると運動機能の回復に有効であることが明らかとなり、運動麻痺を改善させる画期的な治療法として期待されている。
  • 5.意識障害の研究: いわゆる植物症に対して、電気生理学的な残存脳機能の評価ならびに脳深部刺激療法を施行してきた。最近、意思の疎通性をわずかであるが確認することのできる minimal conscious state の概念が広まっている。このような症例では四肢の muscle twitch を誘発し、脳血流を増加させる作用のある脊髄刺激が有効と考えられる。
  • 6.Functional MRIを用いた研究:研究専用のMR装置を有しており、人間の認知機能を解明するための基礎的な各種の研究を行っている。
  • 7.認知・記憶・行動の脳内メカニズムについての研究
  • 8.光工学技術と体内埋設型刺激デバイスを用いた脳機能異常の分析と制御についての研究

●その他

 文部科学省・産学連携推進事業『光工学技術と体内埋設型デバイスを用いた脳機能異常の分析と制御』第4回研究報告会を平成19年11月5日、医学部リサーチセンター4階ホールで開催しました。
17:30 開会挨拶:片山容一(代表研究者)
セッション1 (17:35~18:35)            座長 酒谷 薫

  • 1.認知症を伴わないパーキンソン病(Non demented Parkinson’s disease: ND-PD)におけるBehavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome (BADS)による遂行機能障害(Executive dysfunction:ExD)の各要素別の解析
    内科学系神経内科学分野 亀井 聡