日本大学医学部精神医学系精神医学分野

研修プログラム

1.取得できる専門医資格など

1)精神保健指定医

精神科臨床においては,精神保健福祉法に基づき,病識を欠きがちな精神障害者の人権を擁護しつつも適切かつ迅速な医療を行い,行動制限などの専門的な措置を実施するために厚生労働大臣が指定する精神保健指定医の国家資格が欠かせません。医師として5年間,その内精神科医として3年間の臨床経験を積み,指定の疾患について合計8症例をレポートに書いて申請し,認定されれば資格を取得できます。措置入院の患者をレポートする必要があり,一定期間措置ベッドのある精神病院(指定病院)で研修する必要があります。日本大学医学部附属板橋病院は閉鎖病棟を持つため,措置症例以外についてはすべて大学病院で経験し,レポート作成については教室スタッフの十分な指導を受けることができます。措置症例については,教室のネットワークを駆使し,教室出身の指導者のいる関連病院で責任をもって指導します。

2)精神科専門医

平成17年度から日本精神神経学会による精神科専門医制度が発足しました。日本大学医学部附属板橋病院は日本精神神経学会の研修指定病院に認定されています。指定されたガイドラインに沿って3年間臨床研修し,指定の症例レポートを作成し,精神神経学会の専門医試験を経て精神科専門医となります。専門医取得に関しても,教室スタッフの指導および板橋病院精神科病棟の豊富な症例経験が大きな力となるものと思います。

3)その他の学会専門医

精神科が関連する学会には,いくつか専門医制度を持つ学会があります。日本老年精神医学会(認知症や老年期精神疾患の専門医),日本総合病院精神医学会(リエゾン精神医学の専門医),日本臨床精神神経薬理学会(精神科薬物治験の専門医),日本睡眠学会(睡眠障害の専門医)などです。これらの専門医に関しても,希望がある場合は,これらの資格を持つ教室スタッフが指導します。

2.研修プログラム

日本大学医学部精神医学系では入局された先生方が,精神科医となるために必要なことを習得し,各々の適性を見極めて,精神科医としてのキャリアアップをはかるベースを作るために,以下の研修プログラムを提案しています。

入局13年目

駿河台病院は外来のみのため,基本的には板橋病院で病棟・外来の研修を行います。当施設は総合病院であることに加えて,閉鎖病棟を有しているため,一ヶ所で統合失調症や気分障害だけでなく,思春期や症状・器質性精神障害などの医療保護入院相当の症例を,上級医と相談しながら診ることが出来ます。またリエゾン・コンサルテーションも活発に行っていますので,様々な症例を経験出来ます。措置症例については約半年間,近隣の関連病院に出張します。また他の関連施設もあります。

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入局4年目

精神保健指定医および精神神経学会認定専門医を取得します。附属板橋病院は日本精神神経学会の研修指定施設です。また各々のケースレポートなどの指導は責任を持って行います。

大学院生も上記に準じますが,
出来るだけ研究に専念できるように配慮しています。

4年間で研究を行う能力を磨き博士号を取得するとともに,精神保健指定医と精神科専門医の資格をとるコースも用意されています。研究と臨床の両方で忙しい4年間となりますが,是非ともチャレンジしてもらいたいと思います。

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入局56年目

各自の希望に応じ,国外留学・研修,関連のある国内研究施設への留学・研修,関連病院での専門研修や地域医療の実践など,良き臨床医として,優れた研究者としての将来に結びつく研修を行います。ここ数年に教室員が留学した施設としては,ハーバード大学医学部精神科,ロンドン大学神経研究所などがあります。専門領域により,教室に関連ある国外の他大学に留学することも可能です。国内の専門施設や研究所などにも短期留学した教室員もいます。

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入局710年目

附属病院に戻り臨床の力を大学で発揮し,グループリーダーとして研修医や若手の指導にあたります。学生教育に関する指導法などを上級スタッフから習得し,教育者としての自立を目指します。

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10年目になると,
どのような施設に行っても通用する総合的臨床力がつきます。

この後は大学で臨床・教育・研究などを深めていくか,専門施設と大学を行き来しながら臨床を深めていくことになります。クリニックでの開業を目指す人は,教室OBのクリニックで外来診療技術を学ぶことができます。

【勤務形態】

専修医としての給料(日大病院各科共通)が支給されます(健康保険あり)。

そのほか入局3ヶ月目から1日/週,1年後から2日/週(研究日を含む)教室出身の指導者が在籍する関連病院あるいは大学関連病院に外勤に出ることができます。こうした中で,教室OBとの交流や指導の中で臨床の第一線における血の通った研修を受けることができます。

関連病院として,慈雲堂内科病院薫風会山田病院東京足立病院高月病院日向台病院,山口病院,東武中央病院埼玉県立精神医療センターなどがあります。

関連病院への外勤における,待遇や給与については教室で責任を持って対応します。


良き精神科臨床医としての姿勢,高度な臨床能力をつけるためには,初期の1年目から4年目までの間に,良き指導者のいる大学病院および関連病院で様々な症例を経験することが重要です。ここで得られた良き先輩とのつながりは生涯の財産になります。私たちの教室における選択性の広さと自由さは,皆さんにとって将来の発展への大きな力となります。精神医学の発展と精神科医療の充実のため,いっしょに頑張りましょう。

3. 後期研修をサポートするシステム

1)症例検討会・抄読

毎週月曜の夕方から症例検討会・抄読会を行っています。症例検討会では,各人が病棟あるいは出張先などで経験した症例について呈示し,熱心なディスカッションが行われます。学会発表などで役に立つ症例呈示の方法と多面的な臨床の見方を学びます。臨床的意義の高い症例は,症例報告として論文投稿することになります。抄読会では,臨床の中で興味を持ったテーマについて最新の論文を紹介し,知識の共有化をはかります。最新の興味深い知見については総説論文としてまとめるよう指導します。


2)教授回診・病棟カンファレンス

毎週月曜日の午後に教授回診が行われます。新入院患者について,若手主治医が症例呈示し,臨床的問題点や治療計画について討論します。引き続き,病棟のラウンドを行います。病棟のラウンドの後,難治症例や学問的に興味深い症例について討論します。さらに,退院症例の検討会では,入院中の治療経過の再確認と退院後の治療方針について,つっこんだ議論を行います。 このように教授回診・病棟カンファレンスでは,実際の診察や検査所見に基づき診断や治療方針について,徹底的に討論します。このなかで専門医としての診療方針の決定法などについて学びます。

3)BSL回診

毎週木曜日の午後に,BSLの学生,日本大学文理学部心理学科大学院生や法務省の研修生のためにBSL回診を行っています。教室在籍の臨床心理専門家が代表的疾患の患者をロールプレイし,学生はこの模擬患者を通じて面接の仕方を学習します。その後,若手病棟医が実際の患者さんに面接するのを見学し,より専門的な面接法の実際について学びます。さらに精神症状のとらえ方について教授または病棟医長によるミニレクチャーが行われます。

4.研修施設

→日本大学医学部附属板橋病院
→日本大学病院

問い合わせ先

〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1
日本大学医学部精神医学系精神医学分野 医局長
TEL.03-3972-8111㈹ 内線2431

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