日本大学医学部 形成外科学系 形成外科学分野

対象疾患

顔面神経麻痺による変形

顔面神経麻痺は、顔への長期寒冷暴露、外傷、ウィルス感染、脳血管障害(出血、梗塞)、聴神経腫瘍や耳下腺腫瘍摘出などでおこりますが、生まれつきや原因不明の場合もあります。顔の片側が動かなくなり顔が曲がり、眼が閉じない、唇が下がりヨダレが垂れるなどの症状があります。

いつ治療する?

原因がわかっていれば、まず原因に対する治療を行います。最初のうちは、薬物治療や理学療法が主体で耳鼻科、神経内科で治療します。半年くらいでそれらの治療により改善しない場合は、形成外科で手術治療を行います。外傷や手術による神経切断が明らかな場合は、できるだけ早く手術により治療します。

手術治療

手術方法には 、神経縫合、神経移植、筋肉移植、筋膜による吊り上げなどがあります。 それらを、年齢、麻痺してからの期間、原因、患者さんの主たる(悩み)、合併症・持病などによって使い分けます。

手術前 flow 筋肉移植による治療 flow 手術後
手術前   筋肉移植による治療   手術後

兎眼症に対する治療

顔面神経麻痺により眼輪筋の機能が廃絶すると兎眼症を来たします。就眠時も瞼が閉じることができず、乾燥性角膜炎など障害を来たします。治療は、顔面神経以外の神経(三叉神経)により動く筋肉を移行させて再建する方法(動的再建術)と金の板を重りとして瞼の皮下に埋入させる方法(静的再建術)があります。
また、眉毛の高さの違い、口角の下垂などに対する静的再建術もあります。

sp
PageTop