日本大学医学部 内科学系 神経内科学分野

神経内科の魅力


ごあいさつ

 日本大学 医学部 内科学系 神経内科学分野は、昭和55年に神経学教室として創設され、本年で30年を迎えます。初代高須俊明教授、二代目水谷智彦教授の後任として、平成21年3月1日より主任教授を勤めさせていただいております。教室の概要として、教室運営、臨床、研究および教育の基本理念を紹介させて頂きます。当教室は、臨床医学において診療・研究・教育は三位一体と考え、「自主創造」と「人材の育成」を基本理念とし、”One for all. All for one.” で診療・研究・教育をおこなっております。


《教室運営》
 私は、昭和55年日本大学を卒業後、新設された神経内科に一期生として入局し、一貫して神経内科学を学ばせて頂き、育てて頂きました。従って、神経内科学分野の教室運営は「人づくり」を基本理念とし、Social intelligenceを持ち協調と公平をもっておこなっております。「良き臨床医の育成」を第一義に、日本大学の理念である「自主創造」に基づいた教育・診療・研究の三位一体を堅持し、前任の両教授および諸先輩から受け継いだロマンとプライドを伝承し、深い知性と高い教養を備えた人材育成を目指しています。グローバル化の中で、「質」の高い教育・診療・研究を社会に供給し、社会的なrespectとreputationの高い、かつ教室員自らが愛情のもてる教室整備が私自身の責務と考えています。


《診 療》
  診療は「知・技に立脚した慈愛と協調」と考えます。「良き臨床医」とは医師の高度な知識・技能だけではなく、患者に対する慈愛、さらにはパラメディカルとの協調が重要です。教室員と共に特定機能病院・地域中核病院として高度かつ良質な専門医療の提供に務めて参ります。私自身が専門としている中枢神経系感染症については、日本における診療ガイドラインの作成に携わらせていただいた立場を基に、今後も日本のオピニオンリーダーとして世界最高水準の医療を継続し発展させ提供する所存です(トップページの日大板橋病院ニュースを参照してください)。さらに、患者からのセカンドオピニオンや他施設からの診療相談についても従来と同様に対応しています。一方、脳血管障害の救急対応や難病に対する対応については、社会的ニーズに沿って内科各診療科や脳神経外科などの関連各科や東京都・地域医師会などとも協調し、積極的に対応する所存です。その対応の実例としまして、神経内科・脳神経外科・救急救命センターStroke Care Unitの3部門を併せた日大板橋病院の脳卒中治療実績で東京都内の病院においてNo.1の評価(読売新聞2011.2.6.日曜版)を頂きました。


 附属病院における診療は、日本大学の伝統を受け継ぎ、協調して病院の発展に寄与する所存です。教室員には、リスク管理の根本は事故防止にあること、院内感染予防は手洗いから始まることなど基本に立ち返り、研修医を含め指導し、自らの臨床能力の鍛錬と良好な患者-医師相互信頼関係の構築を教室員とともに徹底したく考えております。


《研 究》
 研究は「自主創造」と考えます。診療から得られた普遍的な臨床課題の克服を目指し、新知見を見出すべく洞察力・実行力・根気をもって研究を進めます。自らの臨床研究が独善とならない為には、臨床成績を論文にまとめ公表することにより、第3者からの評価や批判を受けることが必要です。Evidence-based medicineにより裏付けされた臨床成績により、医学の進歩と患者の利益に叶うような研究成果を可能な限り前向き無作為化試験で実証することをめざしています。一方、中枢神経系感染症のような頻度の少ない疾患や評価が難しいパーキンソン病の非運動徴候などにおいては、多施設共同前向き研究が信頼性のあるstudy designとして極めて重要であり、今後もこの方向性は維持いたします。臨床課題に立脚した基礎研究も、基礎医学と連携して積極的に推進し、普遍的な臨床課題の克服を目指した「自主創造」に基づいた研究の遂行を教室員と伴に指針と致しております。


《教 育》
 教育は「良き臨床医の育成」を基本とします。現在の医療に対する社会要請の変化および分子生物学や生命科学の長足の進歩を踏まえ、卒前・卒後教育ともに、能動的に問題解決をできる能力を身につけさせ、知識偏重型から臨床能力重視する教育への変革が必要と考えます。今後もこれを積極的に実践するとともに、医学教育改革はその内容の充実が極めて重要と考え精進します。一方、「良き臨床医」とは、高度な知識・技能とともに、診察とは患者に共感的態度で親身に診て、患者の気持ちを察することのできる人間性豊かな医師であることが重要であると考えます。  高等教育機関の使命は、知識と技術の伝達、新しい知識と技術の開発、そしてそれらの社会適応と言われています。その遂行のためには、教室員には臨床と研究の機会を多く与え、過去の知識と技術に立脚した問題意識の発揚を計り、新たな知識と技術を発展させ、国際誌を通して世界にその情報を発信し、社会に還元していくことが「自主創造」と考えております。医学は生涯教育です。生涯にわたり、問題意識を持ち丹念に解決することが重要と考えます。教室員と共に臨床の苦楽を分かち合いながら、私自身も含め研鑽を重ね、人材の育成に努めていく所存です。


以上、当教室について述べましたが、一言でまとめますと、Alexandre Dumasの三銃士ではありませんが、”One for all. All for one.”の体制で、日本大学の一員として、医局員とともに教室の発展に寄与していく所存です。今後とも、皆様の暖かいご支援、ご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げます。


 

日本大学 医学部 内科学系 神経内科学分野
主任教授 亀井 聡