日本大学医学部

社会医学系法医学分野

社会医学系法医学分野

社会医学系法医学分野ホームページ

●教室紹介

 社会医学系法医学分野(法医学教室)は、昭和26年(1951年)11月に故上野 佐(うえの たすく:名誉教授)先生が慶應義塾大学医学部法医学教室から専任助教授として着任し、開設された。昭和30年には上野先生は教授に昇任した。当時、法医学教室は本館にあったが、昭和53年に基礎研究棟の完成と共に現在の場所に移った。昭和60年3月、上野先生は定年退職され、同年6月に東北大学医学部法医学教室から押田茂實教授が着任した。その当時、司法解剖は系統解剖の解剖実習室を借りて行っていたが、平成元年4月、基礎2号棟1階に法医解剖室が完成し、主に埼玉県の司法解剖を行っている。平成10年5月には塚本昭次郎助教授が研究所教授に就任し、法医学教室としては全国でも珍しい教授二人体制となった。平成13年1月、塚本先生は定年退職となり現在に至っている。

現在の常勤スタッフは、教授:押田茂實、准教授:内ヶ崎西作、講師:鉄 堅、助手:勝又純俊、磯部英二、技手:飯酒盃 勇、教室秘書:安田美代子 の7人であり、その他に兼担教授1名、兼任講師10名などで構成されている。内ヶ崎准教授と勝又助手は、東京都監察医務院の非常勤監察医を兼務している。

●教育について

 法医学分野の講義及び実習は、2週間にわたり社会医学コースの一環として4年次に行われている。講義としては、死体現象や損傷、解剖の種類等の他に、DNA型等の個人識別、法規制薬物やアルコール等の中毒学、医療事故や危機管理問題等を分担しており、学外より各分野の専門家を講師として招聘し地域での法医実務の実際や児童虐待、法歯学、銃創、裁判に絡んだ法医学実務等が行われている。実習については、血液型やDNA型、指掌紋等の個人識別、中毒学として薬毒物分析、東京都監察医務院に出向いての解剖見学等を行い、死亡診断書(死体検案書)の書き方についても学習する。また、最終日には前日までの知識を用いた未知検体についての物件鑑定と模擬証人尋問を行い、法医鑑定について学習する。これ以外にも、社会医学コース以外にも、6年次の医療事故や脳死関係等の講義を担当している。

●研究について

 法医学は「法律に関係のある医学的問題を研究し、応用する医学部門」であり、その活動領域は多岐にわたっている。当教室では、特に死体現象や個人識別、法医中毒学、医事紛争について研究が行われている。死体関係の研究では、剖検情報と死後画像(Postmortem Imaging = PMI)を組み合わせた『死亡時画像病理診断』=『オートプシー・イメージング(Autopsy Imaging = AI)』が行われている。個人識別の研究では、親子鑑定等にも応用出来る陳旧血痕やホルマリン固定臓器試料等の通常DNA型の検出が困難な試料からのDNAの抽出等を行っている。法医中毒学としては、アルコールの代謝や吸収等の基礎研究や「エンバーミング(遺体衛生保全)」後の薬物の動態等の研究を行っている。医事紛争については、実際に裁判になった医療事故について、その内容をはじめ判決等を抽出し、裁判の傾向等について分析している。他にも、手術時の同意書の全国分析等を行っている

●その他

 当教室には、「桜法会」という同門会がある。押田教授が名誉会長となり、当教室で学位を所得された先輩や当教室に縁の深い先生方約100名で構成されている。当教室出身者としては、佐藤喜宣先生(48回卒:杏林大学教授)、向井敏二先生(54回卒:聖マリアンナ医科大学教授)、平成2~4年まで当教室の助教授であった大野曜吉先生(日本医科大学教授)の計3名の法医学の教授を輩出している。また、平成5~8年まで当教室に講師・助教授として在籍したイスマイルM.セベタン先生は、現在アメリカのNational Universityで教授となっている。
今までに国内学会では、日本法医学会、日本アルコール・薬物医学会、日本賠償科学会等、国際学会では、アルコールおよび薬物依存に関する国際医学シンポジウム(International Council on Alcohol and Addictions: ICAA)を開催し、司法解剖や行政解剖など解剖業務の他にも、再鑑定の依頼や児童相談所からの相談、付属病院からの中毒に関する相談等を受けている。