日本大学医学部

生理学分野

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●教室紹介

生理学とは、生物が生きていく仕組みを「機能」の観点から研究する学問です。種々の構造を持った沢山の分子がどのように協調して細胞の生命現象を維持しているのか、多用な特徴を有する細胞が集まって一体の人間となるために必要な関係はどのようなものか、それを解き明かすことが生理学の役割です。
 なぜ医学部で生理学を学ぶのでしょうか。人体を自動車のような機械に例えてみれば解ると思います。車がうまく動かないのは、病気と同じようなものです。その原因としては、パンクのような構造の異常と、ガス欠のような機能の異常があります。車を動かす構造と機能を正しく理解しなければ、修理することはできません。ですから構造を学ぶための解剖学と、機能を理解するための生理学は、医師にとって必要不可欠な医学の基礎といえるのです。

 私たち生理学分野の役割は、生物の機能について研究し、それを解りやすく医学生に伝えていくことです。

●教育について

 人体の各部位はどのような機能をもち、それらはどのように関連しているのか、それを学生に教えることが生理学の教育にとって大切です。教室を主宰する國分教授は、学生担当を務められ、教育に多くの力を注いでいます。教室員たちは教授に感化され、よりよい医学教育を目指して日夜工夫をこらしています。
よい教育とは、単に沢山の知識を学生の頭に注ぎ込むことではありません。医学は実学です。身につけた知識を使いこなせることが大切ではないでしょうか。近年の国家試験の出題傾向を見ても、単純な知識を問うのではなく、その知識を使って考える問題が増えています。当教室では、学生が講義で得た知識を活用して、実際の人間の仕組みを理解できるようになることをめざし、実習に力を入れています。実際の人間の体は、各々の体質やその時の環境により複雑に変化しますから、応用力を鍛えるには実習が適切なのです。
実習では、お互いの体や動物を用いて、生体の様々な機能を測定します。当教室では、学習をより効果的なものにするために、コンピューターを駆使したオリジナルの実習システムを構築し、毎年改良を加えています。

 また、学生が十分に学習できるように、試験の再試、レポートの再提出等、学生としつこくつきあいます。おかげさまで、学生からは「生理学は厳しい」という評価をいただいているそうです。

●研究について

 生理学は、生物が生きていく仕組みを解き明かす学問です。教室員それぞれが、それぞれの視点と方法論をもって、このテーマに取り組んでいます。
山下講師の研究対象は腎臓と膀胱をつなぐ尿管です。尿管は尿を膀胱へ流すために、絞るような動きをします。この動きは、尿管を構成する細胞が電気刺激を受けて縮むことにより生じます。電気を発するのも尿管の細胞です。電気を出す細胞と刺激を受ける細胞は、その時々に立場を代えながら、刺激したりされたりしています。一見するといい加減にみえるこの現象が、実は効率的なわけです。このいい加減さがどのように制御されているか?数学やコンピューターを用いたシミュレーションを駆使し研究に取り組んでいます。
日台講師は、細胞が相手です。細胞は一つ一つが細胞外基質という衣で覆われています。細胞外基質は細胞の単なる衣服ではありません。ファッションを変えると気分が変わるように、細胞外基質の性質が変わると細胞の行動も変わってきます。日台講師は、細胞外基質が細胞の行動を変える仕組みについて調べています。
高尾助手の興味は味覚です。舌の細胞にある蛋白が、砂糖や塩と反応した時に、私たちは味を感じ取ります。高尾助手は、病気の時にはこの蛋白の遺伝子の活性が様々に変化することを発見しました。病気になるとどうして食べ物がおいしくないのか?疲れた時に甘い物が欲しくなるのはどうしてか?興味はつきません。
 蓄尿と尿排出という相反する機能の調和である排尿機能は、健やかな生活には不可欠であり、その障害で苦しむ人が予想以上に多いのです。和田助手の研究は、実験動物の排尿機能を評価するために尿の量や回数、膀胱内圧などを計測するという古くからある生理学的手法が基本になります。この手法も現代では高度に電脳化されています。アナログ現象が、瞬時にデジタルデータに置き換わって記録されるのです。