概要

現在の医学が臓器別へ向かう専門性の流れの中で、救急集中治療医学は全身をみる総合力を必要とされる新しい学問です。近年、その重要性はますます高まっており、各病院に新たに救急医療に対する診療科が設置されたり、初期臨床研修においても必須科目となりました。更に、専門医制度の中で専門医を名乗ることのできる科として確立されてきました。その様な流れの中で、当医局は良き救急医・集中治療医を目指し、一定の重症度を超えた患者は臓器にこだわらず診療する体制をとってまいりました。

日本大学医学部附属板橋病院の救命救急センターは、従来から参画している東京都CCUネットワークに加えて2009年には東京都脳卒中急性期医療機関、東京都災害派遣医療チーム「東京DMAT」、および東京都母体救命搬送システムの「母体救命対応総合周産期母子医療センター」(都内3医療機関)、2010年には東京都こども救命搬送システムの「こども救命センター」(都内4医療機関)、2011年には急性大動脈スーパーネットワークの「緊急大動脈重点病院」に指定され、2012年には東京都熱傷救急連絡会へオブザーバー参加が予定されています。

東京都内で以上全ての指定を受けているのは当救命救急センターのみであり、社会的に重要な使命を果たすために関係診療科と緊密な連携を図りながら幅広い分野の救急医療に柔軟に横断的に対応すべく日々努力を続けております。

このように通常の縦割りの臓器別診療科では救命困難な患者や多発外傷患者を如何に救命するか、最重症の敗血症、急性膵炎、多臓器不全患者に対し集中治療・人工臓器(人工呼吸器や血液浄化装置)を用いて如何に管理するか、心肺停止患者に対し体外循環を駆使し如何に救命率を上げるか、心肺停止等により脳に重症の損傷をおった患者に対し脳低温療法を施行して蘇生限界点を如何に越えるか、全身に熱傷を負った患者を植皮や培養皮膚(再生医療)を使用し如何に救命するか、等、通常では救命が困難である患者さんに対し治療を展開しております。

これを実現するために、救急集中治療医学を習熟することはもちろんのこと、救急集中治療医学の一定のトレーニング終了後は、サブスペシャリティーを決めその専門性を高めることも目標としております。

大学病院の役割として、一般診療だけでなく重症患者(敗血症・心肺停止蘇生後・重症脳損傷)の病態解析や新たな治療法の確立を目指し研究を行っております。基礎研究にも力を入れ、国内はもちろんのこと海外学会の発表や海外留学と国際的に通用する医師、研究者を育成することを目指しております。

また、救急集中治療医学の新たな役割として、心肺蘇生法を広め心肺停止の救命率を如何に上昇させるか、外傷における避けられた死(preventable trauma death)を如何に防ぐかということが挙げられます。
心肺蘇生法としてはACLS(ICLS)の普及に力を入れております。米国心臓協会(AHA)のサイトとして2007年9月より東京城北ECCトレーニングサイトを立ち上げ、AHAのACLS,BLSコースを開催しております。また、救急医学会のICLSコースは月に一度のプロバイダーコースを主催し、医師のみではなく看護師等のパラメディカル、学生にも教育の機会を提供しております。また、コースは救急医学会の認定コースとして申請し、認定証が授与されます。各大学や病院と協力を行いACLS東京という組織を立ち上げて、東京全体の心肺蘇生法教育に力を入れているところです。脳卒中治療にも力を入れ、脳卒中患者の初期治療に対するトレーニングも行っています。
また、患者家族向けに一次救命処置や体外自動式除細動器の使用法の講習会を開き、心肺停止という事態に家族として対応できるようにしております。 外傷における避けられた死を防ぐため救急医学会として現在総力を挙げて行われているJATEC(外傷初期診療トレーニングコース)に参画し、インストラクターとなり、更には年に一度の主催を行いその一翼を担っております。

また災害、集中治療の分野でもト定期的にレーニングコースを開催し、教室員一丸となって各分野の教育・啓蒙活動に努めています。

救急集中治療医学という多彩で多様な病態を扱う学問において様々な角度からアプローチを行い一人でも多くの患者を救うために日夜努力しております。

東京で救急集中治療医学を行いたいという方は是非ともお声をかけていただければと思います。

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