HOME > 糖尿病研究について > 糖尿病における最近の話題 > CGM(連続式グルコース測定)の導入

糖尿病研究について

糖尿病における最近の話題

CGM(連続式グルコース測定)の導入


CGM(continuous glucose monitoring):グルコースモニタシステム

CGMとは?

主に皮下間質液中のグルコースを連続測定する機器です。2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。

CGMはなぜ有効なのか?

連続的な血糖(グルコース)モニタリングシステムがあれば、従来の検査等では把握できない血糖変動を発見・修正してよりよ景い血糖管理・コントロールの実現に近づけます。


原理

CGM原理図

皮下組織の間質液中のグルコース濃度を測定する

専用センサを使用して間質液中のグルコースをグルコース オキシダーゼ酵素と反応させて、電気信号に変換することにより、 連続的にデータを収集・記録します。
センサ


測定イメージ

CGM測定イメージ

実際には見えていなかった血糖が明らかになる

目標範囲内でコントロールされているように見えますが、実際には見えていなかった低血糖や高血糖が明らかになります。


グルコースモニタシステムの有用性

1. 血糖の日内変動に合わせた効果的な治療法の立案に寄与する

2. 良好な血糖コントロールを実現する

無症候性低血糖と著しい高血糖状態を予防し、HbA1cを低減します。

3. 糖尿病の重篤な慢性合併症の発生を抑制する

腎症、網膜症、神経症などの発生を抑制します。


実際の測定例

以下のように投与薬剤の有効性を検討することにもCGMは有用です。

37歳男性 健常成人 CGMの結果

37歳男性 健常成人 CGMの結果

▼37歳男性 健常成人

◆平均血糖 69 mg/dl
◆最小-最大血糖 52-111 mg/dl


健常成人の場合は最小、最大血糖は一定の幅で変動し、血糖が安定しています。


65歳男性 2型糖尿病 CGMの結果

65歳男性 2型糖尿病 CGMの結果

▼65歳男性 2型糖尿病

[2010/10/20]

◆平均血糖 120 mg/dl

◆最小-最大血糖 78-202 mg/dl

[2010/10/21]

◆平均血糖 114 mg/dl
◆最小-最大血糖 71-193 mg/dl


SU剤であるグリメピリドからDPP4阻害薬であるビルダグリプチンへ変更後、血糖変動が減少しています。