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平成9年6月12日 日本麻酔薬理学会にて発表

癌性疼痛に対する塩酸ケタミンの経口投与

日本大学板橋病院薬剤部・麻酔科学教室
○中山敏光、白山美香、古川稔朗、白土辰子、管裕子、内山正教
キーワード:癌性窓痛、塩酸ケタミン、経口投与

【目的】塩酸ケタミン(ケタラール)は、主に全身麻酔及び吸入麻酔の導入に使用されるが、最近は本剤の鎮痛作用を利用して癌末期の庭痛緩和に静注、持続皮下注による投与が行われている。一方WHOがまとめた癌性疼痛による鎮痛薬投与法の基本五原則ではなるべく経口がよいとされている。そこで今回我々はケタミンを経口可能に製剤化し投与を試みた、
【症例】37歳の女性で尿膜管腫瘍術後10ヵ月で子宮転移、骨盤転移を来たし腰痛、および腎部、下肢痛を訴えて整形外科に入院中、ペインクリニックに疼痛管理を依頼された。硫酸モルヒネ徐放錠および塩酸モルヒネ坐薬、NSAlDsの投与を行っていたが、十分な疼痛緩和が得られず神経因性疼痛が関与していると思われたためにケタミンの経口投与を試みた。
【結果】投与方法は50mg1回(1mg/kg)、1日3回、および痛み増強時や痛みを伴う処置の前に80mg/回を屯用とした。評価は我々が考案した疼痛スケール表に5段階のVASで評価し、鎮痛効果を患者自身に記入してもらった。投与期間は60日で特に重篤な副作用は認められなかった。
【まとめ】ケタミンは麻酔量より非常に少ない量で鎮痛効果が認められている。注射薬に少量の矯味矯臭剤を添加する工夫により服用可能なまでに苦みを和らげ、経口投与で鎮痛効果が得られた。ケタミンの経口投与はモルヒネでは取りきれなかった神経因性の痛みを緩和して末期癌患者のQOLおよび服薬のコンプライアンスが向上した。

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