地域保険薬局と病院薬剤部の医薬品および患者に関する情報交換方法の検討
菊池憲和,木村高久,榎本有希子,蛭川康子
日本大学医学部附属板橋病院 薬剤部
【目的】
医薬品の適性使用を推進するためには、予測し得ない副作用や相互作用の発生状況を知ることが必要である。99%院外へ処方せんを出している当院において、薬剤部は病棟服薬指導時に入院患者から情報は知り得るものの、外来患者からの情報を入手しえないのが現状である。 また、処方せんを応需している保険薬局においては患者からの副作用などに関する情報を入手しても、その情報を十分処方医に還元しえない状況にある。そこでこの度、当院薬剤部で行ってきた近隣4区の薬剤師会への情報提供に加え、保険薬局からの情報収集の方法および医師への還元方法を検討したので報告する。
【方法】
近隣4区(板橋区・北区・豊島区・練馬区)の薬剤師会や保険薬局薬剤師との情報交換会を3ヶ月に1度行った。病院薬剤部より随時提供している緊急安全性情報、厚生省医薬品副作用情報、製品の回収および添付文書改訂のお知らせなどの活用状況を入手する。また保険薬局からは患者から知り得た副作用・相互作用など問題のあった事例を当薬剤部で作成したFAX送信票を用いて、FAXしてもらうこととした。また保険薬局が現在入手している医薬品に関する情報や入手時期、業務を行う上で入手したい情報、副作用についてどの程度指導を行っているのか把握するため情報交換会に参加された保険薬局及び近隣薬剤師会会員の121薬局にアンケート調査を行ったのでその結果について合わせて検討した。
【結果・考察】
1)新薬情報:97% 添付文書の改訂:96% 医薬品に関する緊急安全性情報:92% 包装変更:89% 副作用情報:88% 医薬品安全対策情報:84% 製品回収情報:85%以上のようにほとんどの保険薬局が入手していた。しかしながら応需処方せん枚数が少ない薬局は入手する情報も少ないことがわかった。
2)緊急安全性情報や製品回収の入手時期は病院より2〜7日遅れていた。
3)多数の保険薬局が服薬指導のために患者の背景や特殊疾患、説明しなければならない医薬品の副作用情報入手を要望していた。4)保険薬局が今後入手したい情報として、相互作用や副作用の頻度とその強さ、統一された服薬指導のための説明文書があった。
また、薬剤部へのFAX送信や情報交換会で、重複投与5件、相互作用2件、適応外使用2件、外用薬の特殊な使用方法1件などが報告された。医師への還元方法としては薬剤部が保険薬局から収集した相互作用などの情報を院内各委員会に報告し、処方医に適正な処方せん記載方法について啓蒙している。個々の患者情報については、薬剤部担当者が診療録に医師宛のメモを貼り注意を促し、必要に応じて直接医師と面談し情報提供につとめている。外来患者に対する病院薬剤部の役割として、保険薬局が必要としている情報をファクシミリやインターネット通信などでいち早く保険薬局へ情報提供すること、収集した患者情報を確実に担当医師にフィードバックするなど、院内医師への安全性情報の提供をすみやかに行っていけばより一層の病院における医薬品の適正使用を推進していくと考えられる。
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