瀉血療法が有効であった慢性めまい症の 1 例
症例報告
著者
新保 暁1, 2) 水谷 智彦1)
1)日本大学医学部内科学講座神経内科部門
2)現塩味病院
要旨
症例は 59 歳,男性.起床時の激しい回転感(vertigo) とそれに続く浮動性めまい (dizziness) を主訴に来院した.多量喫煙歴があり,低血圧を指摘されていた.神経学的診察・神経耳鼻科的検査および頭部 MRI・MRA でいずれも異常なく,抗めまい薬はいずれも無効であった.赤血球増多を認めたため,本症例を多血症に伴うめまいと診断した.瀉血 200 ml を施行したところ直後より dizziness が軽快した.本症例では瀉血による血液粘稠度の低下が症状改善に有効であったと考えられた.
keyword
dizziness, erythrocytosis, phlebotomy
めまい,多血症,瀉血