日大医学雑誌

インフルエンザによる熱性痙攣の臨床的検討

原著

著者

石川 央朗  渕上 達夫  田原  悌  宮下 理夫
中山 弥生  橋本 光司  稲毛 康司  高橋  滋
麦島 秀雄
日本大学医学部付属練馬光が丘病院小児総合診療科

要旨

インフルエンザ発生時期の 2004 年 11 月からの6 か月間に,当科救急外来を受診した年齢 0 歳から 15歳までの熱性痙攣児 347 名を対象とし,インフルエンザによる熱性痙攣 (Influenza FS) 児 95 名とインフルエンザ以外の熱性痙攣 (Non-influenza FS) 児 252 名との 2 群に分類し,Influenza FSの特徴を検討した.その結果,(1)Influenza FS はインフルエンザ流行時期に一致して増加していたが,Non-influenza FS の発症数は月別の変動は少なく一定していた.(2) インフルエンザ発症総数は B型が多かったが,Influenza FS 発症数には型による差がみられなかった.(3) Influenza FS 児の方が Non-influenzaFS 児より平均年齢が高く,また発熱出現から 24 時間以降においても痙攣した率が高かった.以上よりインフルエンザ流行時には,年長児においても熱性痙攣出現に注意を要する.

keyword

influenza, febrile seizure
インフルエンザ,熱性痙攣