ステロイド投与の中止により再増悪した
パクリタキセルによる間質性肺炎の一例
症例報告
著者
清水 哲男 高橋 典明 林 謙悟 真野 博明
相沢 拓也 塩崎 昌亮 辻野 一郎 小林 朋子
橋本 修 赤柴 恒人
日本大学医学部呼吸器内科部門
要旨
症例は 71 歳男性.再発小細胞肺癌に対してパクリタキセル単剤で外来化学療法を行なっていた.パクリタキセルによる間質性肺炎が出現し,ステロイド投与により改善した.ステロイド投与中止後,再増悪しステロイドパルス療法を行うも改善なく死亡となった.パクリタキセルによる薬剤性肺障害の発生頻度は少ないが,化学療法を行なっている肺癌患者においては薬剤性肺障害の危険性に留意し,ステロイド投与の中止は十分注意が必要であると思われた.
keyword
paclitaxel, prednisolone, interstitial pneumonia, drug-induced lung injury
パクリタキセル,プレドニゾロン,間質性肺炎,薬剤性肺障害