日大医学雑誌

四肢悪性軟部腫瘍の診断と治療

総説

著者

吉  田  行  弘
日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野

はじめに

軟部腫瘍は,臨床的にさまざま形態をとるため皮膚科,形成外科,一般外科,整形外科など現在いろいろな領域の治療対象になる疾患である.しかし,安易に簡単に切除された軟部腫瘍が病理検査で悪性腫瘍と診断され当科に紹介されてくることもしばしばある.この場合,病理組織学的検討を十分に行い,追加広範切除を行なわなくてはならない.さらに必要以上に組織欠損が生じる場合には形成外科の協力の下に再建術が必要となることもある.つまり,四肢軟部腫瘍の診断や治療をあやまると患肢温存も不可能になり切断に至ることもある.さらに患者の生命を脅かす状態にも陥ってしまう.本稿は,当院で経験した症例をもとに現在我々が行っている四肢悪性軟部腫瘍の実際の診断の進め方とその治療法について述べる.

keyword

Malignant soft tissue tumor, Treatment modalities
悪性軟部腫瘍,治療