日大医学雑誌

大うつ病性障害の重症度と思考障害

短報

著者

佐川 倫啓  大久保起延*  大久保博美*
日本大学医学部 6 年生
*日本大学医学部精神医学講座

はじめに

構文テストは思考障害を評価するための検査である.これまでに健常者と統合失調症の患者に用いられ,統合失調症に特異的な支離滅裂,連合弛緩などの精神症状の存在により,構文テストの評価は著明に低下すると報告されている1).しかしながら,構文テストは統合失調症に特異的でない思考や言語の障害を鋭敏に検出することが示されている2).そこで,われわれは大うつ病性障害の患者に構文テストを施行し,抑うつ症状と構文テストの評価との関係について検討した.

keyword

thought disorder, language, depression, sentence generation test, hamilton depression rating scale
思考障害,言語,うつ病,構文テスト,ハミルトンうつ病評価尺度