症例報告

著者

北井　真貴　　荒牧　　修*　　川崎　篤史*　　三松　謙司*
久保井洋一*　　大井田尚継*
社会保険横浜中央病院臨床研修医
*社会保険横浜中央病院外科

要旨

症例は 41 歳男性．発熱と全身倦怠感を主訴に受診．腹部所見上，肝を 8 横指触知し，腹部 CT 上肝右葉に単房性の巨大膿瘍を認め，経皮経肝膿瘍ドレナージを施行した．その後経過中に膿胸，脳膿瘍を合併した．抗アメーバ抗体陽性より赤痢アメーバ感染症と確定診断，メトロニダゾールの投与を開始した．アメーバ性膿胸，脳膿瘍は稀で，極めて予後不良である．肝膿瘍を疑ったら，早急に抗アメーバ抗体の検査を行い，確定診断を得る必要がある．

keyword

Amebic infection, liver abscess, brain abscess, empyema
アメーバ性感染症，肝膿瘍，脳膿瘍，膿胸