防水スプレー吸入による肺障害の一例
症例報告
著者
遠藤 大介 小林 朋子 林 伸一 高橋 典明
橋本 修
日本大学医学部内科学講座呼吸器内科部門
要旨
家庭でも汎用される防水スプレーは,直接吸入のみならず,熱分解産物で毒性を増した成分の吸入により肺障害が引き起こされる.防水スプレー使用後に喫煙し,受診時に低酸素血症と画像で両側性浸潤影を呈し,防水スプレーガス吸入による肺障害と診断した一例を経験したので考察を加え報告する.外因性吸入物質による肺障害を鑑別するためには,呼吸器症状発症時の状況を詳細に問診することが重要である.
keyword
waterproofing spray, toxic inhalation, acute lung injury
防水スプレー,吸入毒性,急性肺損傷