日大医学雑誌

血管内超音波の周波数解析による冠動脈黄色プラーク組成の検討

原著

著者

川野 太郎  本江 純子  高山 忠輝  齋藤  穎* 
日本大学医学部内科学講座循環器内科部門
*日本大学医学部先端医学講座

要旨

不安定プラークの同定は急性冠症候群発症予防の観点から重要である.血管内視鏡で観察される黄色プラークの色調は不安定性の指標として注目されているが,黄色プラークの組成を生体内で解析した報告はない.本研究の目的は,黄色プラークの組成を血管内超音波の周波数解析により評価し,不安定プラーク同定の可能性を検討することである.冠動脈インターベンション施行患者のうち,血管内視鏡検査施行の同意が得られた21 名を対象とし,造影上狭窄度が 50%以下の非責任病変である 31 プラークを解析した.黄色調により高グレード群および低グレード群に分類し,従来のグレースケール輝度解析,Virtual Histology? (VH) による組成解析を施行した.輝度解析では高グレード群の方がより高い傾向にあったが有意ではなかった.VH による解析では壊死組織の割合が高グレード群で有意に多かった.VH は不安定プラークの客観的な評価デバイスとして期待される.

keyword

vulnerable plaque, yellow plaque, intravascular ultrasound, angioscopy, Virtual Histology?
不安定プラーク,黄色プラーク,血管内超音波,血管内視鏡,Virtual Histology?