造 血 器 腫 瘍 の 新 し い 治 療
教授就任講演
演者
竹内 仁
日本大学医学部内科学講座血液膠原病内科部門
はじめに
造血器悪性腫瘍に対する治療は,従来の抗腫瘍剤を主体とした化学療法から分子標的薬剤へと転換されつつある.抗腫瘍剤による化学療法は,その作用機序からもわかるように正常組織にも障害をきたし,骨髄抑制をはじめとする副作用のため,多い頻度ではないが死亡する症例も認められている.一方,分子標的治療薬は腫瘍細胞特異的に作用するため,副作用が少なく治療成績も化学療法剤を凌駕してきている.