日大医学雑誌

うつ病と睡眠に関する最新の知見

教授就任講演

演者

内山 真
日本大学医学部精神医学講座

本文

うつ病において,不眠はほぼ必発の症状であり,診断治療を行う上で最も重要な症状のひとつである.不眠,あるいは睡眠の過剰などの睡眠障害は,米国精神医学会の診断基準 DSM-IV の大うつ病エピソードの診断基準1)においても重要な診断基準となっている.不眠は,抑うつ気分,悲哀感,興味の喪失,精神運動制止といったうつ病に特徴的な精神症状に先行して出現することが多い.また,うつ病の治療経過を見る場合でも,不眠の悪化・改善は臨床的に有用な指標となる2).

(注 : 本文の最初の一段落を掲載しております。)