日大医学雑誌

胆嚢消化管瘻が自然閉鎖したと考えられた
胆石イレウスの 1 例

症例報告

著者

金田 英秀1)  三松 謙司1)  大井田尚継1)  加納 久雄1)
久保井洋一1)  天野 定雄2)
1)社会保険横浜中央病院外科
2)日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門

要旨

症例は 67 歳女性.腹痛・嘔吐を主訴に腸閉塞の診断で入院となった.入院 3 日目のイレウス管造影にて小腸に 3 cm 大の陰影欠損を認め,腹部 CT にて腸管内の結石像と胆嚢気腫像を認めた.胆石イレウスの診断で手術を施行したところ,回腸に嵌頓する 3 cm 大の結石を認めたが,明らかな胆嚢消化管瘻は認めず,小腸小切開下に結石摘出のみ行った.術後検査でも明らかな胆嚢消化管瘻は認めず,経過良好で術後 9 日目に退院となった.

keyword

gallstone-ileus, pneumobilia, internal biliary fistula
胆石イレウス,胆嚢気腫像,胆嚢消化管瘻