日大医学雑誌

頭部 MRIと脳血流画像

画像診断

著者

大石 実
日本大学練馬光が丘病院神経内科

はじめに

2005 年に発症 3 時間以内の脳梗塞で,アルテプラーゼの静脈内投与が日本で認可された.アルテプラーゼは遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベータであり,投与前に頭部 CT (computed tomography,コンピュータ断層撮影) または MRI (magnetic resonance imaging,磁気共鳴画像) を施行し,頭蓋内出血を除外しなければならない1).また,コンピュータソフトの開発により,拡散テンソル画像で神経経路を描いたり,海馬・海馬傍回の萎縮の程度を数値で表したり,SPECT (singlephoton emission computed tomography,単一フォトンコンピュータ断層撮影) で血流低下部位をカラー表示できるようになった.これら最近の注目点を中心に解説する.